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【映画】Cloud クラウド(2024 / AP) ⇒ まあまあ

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評価

まあまあ

あらすじ

「転売屋」としてそれなりに成功を収めた男が、一方で多くの人間から恨みも買っており、嫌がらせがエスカレートし、やがて命を狙われることになるサイコスリラー。

感想

序盤は転売ビジネスのリアルな描写が中心で、「そういう社会派の作品か?」と思わせるが、物語が進むにつれて不穏な空気が漂い始め、後半になると一気にサスペンス色が強まる。

この急展開の仕方は、どこかVシネマやアメリカのB級スリラー映画を彷彿とさせ、個人的には悪くないと思った。

ただ、その上での登場人物の行動原理がどれも納得感に欠けており、説得力が欠ける。

そのため、展開の強引さやご都合主義な部分や粗がかなり目立ってもいて、外部レビューサイトで酷評されてしまっているのも仕方ないなというところではある。

兎にも角にも、主人公以外の登場人物たち全員に対して「なんでなん?」という疑問しかわかない。

例えば、主人公がバイトしていたクリーニング工場の上司にしても、主人公に昇進を打診するも断られて、後日自宅に訪問した際に居留守されたというだけで殺そうとしているし、その上、「実は指名手配されていた」という設定も別段不要だし。

主人公の恋人も、主人公が拉致される瞬間を目撃しつつ何か思惑が有りげな描写の上で廃工場までこっそり尾行しており、その上で、その銃撃戦に巻き込まれていないのも不自然だったり。

何より主人公が雇った自称アシスタントの青年も、どうやら裏社会に精通している風な男なのに、何故主人公にそこまで尽くしているのかが不明。

その部分を明確に説明せずに淡々と物語が進んでいくから、後からその謎が解明されていくのかと思いきや、一切その説明がされないので、ミスリード的には結果上手くいっている部分もあるとは言え、その辺りを回収していない以上、やはり「粗い」もしくは「ご都合主義」という印象しか残らないのが残念。

なので、途中までは意味不明すぎるが故に、サイコスリラーとしての緊迫感の演出としてはよく出来ている。

特に、その自称アシスタントの青年の感情を表に出さない不気味さが、本作のスリラー要素を引き立てている部分については評価できると思う。

そういう意味で、ミスリードは非常に上手いので緊張感はあったが、「何故そうなったのか」という理由付けの部分については最低限説明しておいただいておいた方が、より物語に深みも出ただろうに勿体ないなというところでもあると思う。

作品情報

製作年・国 2024年 / 日本
公開日:2024年9月27日
製作総指揮・監督・脚本・音楽 ■監督・脚本:
黒沢清
■製作:
荒川優美
西宮由貴
飯塚信弘
■製作総指揮:
福家康孝
新井勝晴
■制作会社:
日活
ジャンゴフィルム
■音楽:
渡邊琢磨
キャスト 菅田将暉
古川琴音
奥平大兼
岡山天音
荒川良々
窪田正孝
時間 123分
ジャンル サイコスリラー, サスペンス

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