アバランチ(全10話:2021 / NF)
めちゃくちゃ面白かった
元公安刑事・現職警察官・元爆発物処理班・元自衛隊員・現職ハッカーからなるアウトロー集団が、国の巨悪に立ち向かう話
設定やストーリー的には割とよくある話ではあるけど、カンテレならではの丁寧な脚本で、最後まで目が話せなかった pic.twitter.com/de6RXMOnYB
— (株)ゆう (@yusuke1006_t) July 8, 2023
設定としては、同じくカンテレ制作で2017年に小栗旬が主演したドラマ「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」に極めて近い。
決定的に異なるのは、CRISISは「全員が現役警察官による対テロ組織」で、言わば海外ドラマ「24 -TWENTY FOUR-」におけるCTU的な小規模ユニットであるのに対し、AVALANCHEは国家ぐるみの不正を暴き、権力を潰すために暗躍する私設的な反政府組織であると。
このため、ある意味ではCRISISとは真逆で「テロ組織的な思想のもとに集まっている」が、その対象はあくまで「不正を行っている官僚たち」であり、秘密裏に彼らを社会的に抹殺するための集団という、ダークヒーローなのが特徴。
だが、第1話・第2話が連続して「犯人をつるし上げてYouTubeライブで晒し者にする」という手法で、同じ方法が連続したことやその手法がいささか地味にも見えて、当初「大丈夫かこれ?」と心配になった。
また、そうした「SNSを利用して拡散させる」的な情報操作という発想自体には古いも新しいもないからまだいいとしても、実際に拡散されるのがいくらなんでも早すぎるというのは、この手のドラマの「悪い意味でのお約束」なのがちょっとだけ残念。
何より、そうした描写の中において、大衆のツイートを並べるような表現の時に「ツイートに声を当てて読み上げる」という演出が未だになされているのが本当に残念。これはもういい加減古いから、本当に辞めた方がいい。
気になった点としてはそうした些末な表現方法と言うだけで、ストーリーそのものの大筋としては非常に面白く、脚本自体が非常に丁寧で、登場人物の多さや背後関係等が複雑に絡み合っていても、それらを非常にわかりやすくしていく脚本手腕については、相変わらず上手だと思う。
思いつきで言うなら、スピンオフで「CRISIS vs AVALANCHE」みたいな話があったら面白そうだなと思った。
当然最後は、双方が手を組む的な展開で。