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【×年前の今日】1999年8月18日:氷室京介 – SLEEPLESS NIGHT~眠れない夜のために~(17th SINGLE)


氷室京介 – SLEEPLESS NIGHT~眠れない夜のために~(17th SINGLE)

C/W:TENDERLY(オリジナルアルバム未収録)
1999/08/18リリース

SLEEPLESS NIGHT~眠れない夜のために~

KYOSUKE HIMURO -Sleepless Night-

23年前の今日リリース。

この曲が収録されているアルバム「MELLOW」が、タイトルの示すとおりメローなバラード中心のアルバムなので、アルバムの流れで聞くと正直違和感しかない。

とは言えこの曲は、氷室節全開な100%濃縮還元なビートロックナンバーで、果汁100%ならぬ「氷室100%」といった趣であり、ファンにとっては非常に嬉しい1曲だと思う。

実際、氷室本人も「ファンサービスのための曲」的な発言をしていて、それと同時に「この手のわかりやすい8ビート曲はこれで最後かも」というような発言もしていたし。

で、ビートロック系のシングルだと「NATIVE STRANGER」や「STAY」があるけど、「NATIVE~」は良くも悪くも泥臭いロック色が強めではある。

逆に「STAY」はBOØWY感の面影を匂わせながらも、ロック色という点においてややパンチに欠けるところがあり、良くも悪くも「氷室流大人のビートロック」みたいなところがある。

しかしこの曲については、その両方の特性を兼ね備えつつ、氷室特有の「ダークネス&ナルシズム」にも彩られていて、ジャケットやPVによるイメージも相まって、非常にかっこよく仕上がっている。

もっと踏み込んで誤解を恐れずに言うと「V系っぽい感じ」っていうんですかね。いい意味での「中2感」がすごく強いと思う。

でも、なんだかんだ氷室好きな人って、ぼく自身も含めて「こういうことでしょ?」っていう感じじゃないですかぶっちゃけw「そうそう氷室のこーゆーの待ってたんだよ!」的なとこあるじゃないですかw

そういった意味においては、「NATIVE~」で挑んだスティーブ・スティーブンスを起用したバンドサウンドの構築、及びそこで得た知見と、氷室の元々持っていた「怜悧で鋭利な刃物感」が絶妙なバランスでミックスされているという点で、大成功したと言える曲だと思う。

更には作詞家として、コレまでほぼほぼ専属だった「松井五郎」から一転して、意外すぎるくらい意外な「森雪之丞」を迎えて制作されているという点も見過ごせない。

それまで、森雪之丞というと、布袋の楽曲を多く手がけてきていた人だったから、まさかのこの起用にびっくりしたファンは多かったはずである。

しかし、それも含めてやはり大成功で、松井五郎の時には出てこなかった「禁断の果実感を感じさせるエロティックさ」を、絶妙なシニカルさ加減でPOPに描いていて、実は氷室のキャラクターと非常に相性がいいということがよく分かる。

「その胸に咲くキスの痣は、枯れない薔薇さ」とか、もう流石としか言えない。

とは言え、この曲は割と硬派な方なので、そこまで艶めかしさとかエロティックさはないのだけども。あと、PVが正直ちょっとダサいw

TENDERLY

TENDERLY

C/Wの「TENDERLY」は、後に発売されるベストアルバム以外、オリジナルアルバムには収録されていないため、最近までは非常にレアな楽曲だった。ライブでもあまりやらなかった気がする。

「TENDERLY」はバラードなんだけど、この曲は、氷室のバラード曲としてはちょっと珍しい系統。まあ、言っちゃえばこれも、解釈の仕方によってはV系感のあるバラード。

何ていうんだろう、車のガラス越しに見る、夜の雨に濡れている滲んだ風景のようなブルージーな感じとでも言うのか。

あと、この曲で氷室さん、珍しく軽めのファルセットを使うってのも見過ごせない。氷室のファルセットって本当に貴重で、ぼくの記憶が正しければ、BOØWYの「わがままジュリエット」以来な気がする。

で、それこそこの手の曲は松井五郎の歌詞なんかがよく合うんだろうけど、森雪之丞によってコレまでとは違う感じで描かれていて、氷室の新たな扉が開いた感を感じることができる。

この曲もそうだし、ここからこの後にリリースされるアルバムで、氷室はまた新たな扉を開けて、更に進化した姿を見せてくれることになるんだけど、そのアルバムレビューは、またの機会で。

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