前回のエントリにて「MC漢」の著書を紹介したこともあり、割と最近ジャパニーズHIPHOPに対する興味・関心が高まっている。

そんな中、そのMC漢の直の後輩で、彼の運営する「9sari Group」に所属している「DOGMA(どぐま)」というラッパーの動画が結構ショッキングだったので、シェアしたい。

先にネタバレすると、先日、MC漢が「大麻所持」で逮捕されたわけなんだけど、後から尿検査をおこなったところ、覚醒剤の陽性反応も出たとのことで、MC漢の「K」と覚醒剤の「K」のダブルミーニングらしいです。


DOGMA 4:20 Vol.23 -for K-

この人の別の曲の動画のコメント欄で確か、「ほかのラッパーが街の不良ならDOGMAは本職とか半グレみたいなガチのアウトロー」とあって、なるほどと思った。彫ってる墨も「TATOO」ではなく「和彫りの刺青」みたいなイメージ。

で、この動画については、冒頭で先述した「漢の逮捕と覚醒剤の陽性反応が出たこと」を受けて、自身の気持ちを曲にした旨についての注意書きが書いてあったりする。

それもこれも含めて、この楽曲そのものや映像の雰囲気が、子供の頃に見た「覚醒剤やめますか、それとも、人間やめますか」のCMに非常に近いものを感じて恐怖すら感じる。

※特に「キッチンマザー編」がマジで怖い。

ソフトな表現で「ダメ、ゼッタイ」とかいうより、「経験者によるリアルなリリック」という意味においては、これほど説得力のあるキャッチコピーはないんじゃないかと思う。

特に冒頭近辺での「ターボ絞りアルミホイル谷折り / 溶けたガラス上下行ったり来たり」辺りのシャブ打ちのリアルな描写とか、「シャブ明け3日目、キレ目半端ねえ」とか、この辺はかなりリアルに感じた。

とは言え、馳星周の「不夜城」的なノワール小説感も感じることから、ある程度取材とかでも書ける内容なのかも知れないけど、このDOGMAさんというラッパー自体が、先述のように「ヤクザ的雰囲気」のヤバ気なラッパーなので、おそらく「ガチ」なんでしょう。

この、低く抑揚をつけない落ち着いた感じのつぶやきみたいな声でラップしているところも、逆に怖さをより一層引き立てているし、何よりずっと後ろで「いーいいー」っていう女性の声が聞こえるこのトラックが怖すぎるw

でも単純に「1つのラップ作品」として非常にかっこいいと思うし、何より「何かを辞めさせる啓蒙」をおこなうには「恐怖」を煽るのが一番いいと思う。

それに「やったことない人が精神論で語る覚醒剤の無意味さ」よりも、「ガッツリ経験者のアウトローな人の言う【やめとけ】」は、もうそれだけで十分説得力あると思うんですよね。

それを、恐怖心を煽るトラックに乗せてラップしてるんだから、これかなり強烈に刺さる気がする。

なので、今後、覚醒剤撲滅の運動はこういう人にもっとやらせて、小学生のうちから映像で見せたほうがいい気がする。



公共広告HDCM(1) 覚せい剤やめますか?それとも人間やめますか?

ぼくが最初に見たのはこっちだったと思う。

この時点で相当怖い。特に最後の、黒背景に赤の明朝体で「人間やめますか」の文字が出てくるところが怖すぎて、子供の頃、このCMが来るだけで泣いていた。

確か、太陽戦隊サンバルカンの再放送かなんかが夕方やっていて、その時のCMで流れていた記憶。

当時ぼくの母親はパートに出ていて、その時間は家にぼく1人だったこともあり、兎に角不安と恐怖を掻き立てられるCMで、最早トラウマ。

けど、それ以上にドギツイのがこちらの「キッチンマザー編」


kittchen mother

母親の廃人っぷりもリアルだし、何より隣で子供が「ママー!ママー!」と泣き叫んでいるのが見ていて非常に辛い。

DOGMAさんも曲の後半で正に言っているけど、覚醒剤って、本人だけじゃなくて「周りの人間」をも壊してしまうんですよね。

そういう意味で、このキッチンマザーは、「本人ではない人に焦点を当ててその恐怖を煽る」というやり方が非常に秀逸で、説得力があるんですよね。

それに、大半の人間は「覚醒剤なんて自分には関係のないこと」としか思っていない。だから「覚醒剤の恐ろしさ」というものについて、改めて知ろうともしないと思うんですよ。

でもそれって逆にすごく怖いなとぼくは思っている。

というのも、人間の想像力は貧弱だから、「何故ダメなのか、どうダメなのか」という詳細を教わっていないから、逆に「今まで自分には無縁のものだと思っていた」という人ほど、何かの拍子に覚醒剤が手に届く状況になった時に、「興味本位」で手を出してしまうのではないだろうか。

だからこそ、これくらい強烈に「リアルな痛み」を描かないと、人は危機感を覚えない。いかに恐ろしいものかを、「リアルに想像」させないといけない。

だからこれは、クレームが来たとしても、これくらい恐怖を植え付けるような内容にしないとダメだと思う。
 
 

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