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なかなか面白かった。

雰囲気的に「如何にもヤングエースとかで連載されてそうな絵柄だなあ」と直感的に思っていたら正にそのとおりでびっくりした。

なんていうか、「多重人格探偵サイコ」とかあの辺とイメージが被るんですよね。大塚英志系というか。

以降はネタバレを含みますが、別にいいよね。終わった作品だし。

 ストーリー・設定・世界観について


一見、設定が難解に感じるけど、でもその辺りの説明の仕方みたいなものはうまかったんじゃないかと思う。それでも最終局面とかは訳わかんなかったけど。

要するに携帯型端末の「ワクムスビ」を用いて殺人事件現場から「殺意の思念粒子」を採取し、それを元に「ミヅハノメ」という機器を使ってデータ化し、「人間の殺意の世界(通称:井戸)」というヴァーチャルな世界に意識だけ潜る。

で、そのミヅハノメにダイブしたパイロットはその中で「記憶喪失状態」で覚醒し、ある死体(通称:カエル)を見ることで、「自分が名探偵であること・自分の名字のみ(その世界の中での通称であり、本名ではない)・死体の少女の名前・自分がそこにいる理由」を思い出す。

その世界の中で得た情報は現実世界にいる「井戸端」と呼ばれるメンバーがモニタリングしており、仮想世界の中でパイロットがおこなった推理を元に、現実世界の事件を解決に導いていくというもの。というのが、この作品の世界観であり設定のようだ。

「人の意識のみを仮想空間にダイブさせる」というところだけで言えば、まんまSAO(ソードアート・オンライン)だけど、そうした近未来型の設定は好物だったりするし、これから類似の設定の作品はもっと出てくるだろうと思う。いや、既に使い古されているか。

舞台が「警察」という部分だったり、「殺意のデータ及び具現化」という部分については、PSYCHO-PASSでの「犯罪係数という形での数値化」に、概念としては非常に近いものを感じた。

そしてそれら全ては連続殺人犯「通称:ジョン・ウォーカー」と呼ばれる男によるもので、最終的にはこの人を追いかける話というのが、この作品のあらすじですね。

で、ぼくはてっきりこのミヅハノメの開発者こそがジョン・ウォーカーだと思っていたのだけど、そうではなく、イド捜査専門の部署「通称:蔵」の局長だった。

なんかこの辺りの「話の筋」に関しては、別に目新しさはなくて、寧ろありきたりというか、大した意外性は無いなと言うところだったので、ジョン・ウォーカーの正体がわかったときも「ああ、そっちですか」って思っただけだった。

 ネーミングセンスについて


先述の「ワクムスビ」や「ミヅハノメ」は、かなり近未来的なテクノロジーでありながら、その名前の由来は「古事記」を始めとする日本神話に登場する神様の名前だったり。

また、人の殺意によって形成されたヴァーチャルワールド「井戸」は、その操作チーム名が「井戸端」であることから、そのまんま「井戸」という意味ももちろんあるんだろう。

けど、作品タイトルが「ID:INVADED」となっていることから、本来の意味としては「精神分析学の概念のひとつ」であり「自我」を意味する「ID -イド-」とのダブルミーニングなんだと思う。

また、そのイドの中で必ず死んでいる少女が「カエル」と呼ばれているのは、言わずもがな「井の中の蛙」から来ているものだろうし、こうした名称のネーミングセンスは中々のものだなと思った。

だが、その一方で登場人物たちの名前については、ちょっとう~んという感じでもあった。

まず主人公の「鳴瓢秋人(なりひさご あきひと)」って、初見では絶対に読めないし、読み方が不明な状態で第三者によってその名前が口に出されるシーンでは、耳慣れない日本語なので、なんて言ってるかわからない。

なんかこの辺の「無駄に難解な人名」は、西尾維新作品とか鬼滅の刃の、いかにも厨二な感じがして、個人的には好きじゃない。

というか、マンガでも小説でも映画でもなんでも、架空の登場人物の名前が独特すぎるネーミングのものって、個人的に嫌いなんですよねえ。普通の名前にして欲しい。

 声優さんについて


主人公「鳴瓢秋人」役は「津田健次郎」さんということで、ちょっと前に取り上げた「トクナナ」の主人公「一ノ瀬栞」役が記憶に新しいですね。奇しくもトクナナで「警察官」を演じており、「ID」では「元警察官」という役柄。

※関連過去ログ

http://blogrider.tokyo/archives/22948022.html

恐らく津田さんは「性格俳優」と呼ばれる分類なんでしょうね。鳴瓢については眠たげと言うか、アンニュイな喋り方がトクナナの主人公「一ノ瀬」にだいぶ近かった。

でも、やはり鳴瓢の方が大分「病んでる感」はあって、その辺りの微妙な違いもちゃんと出てて、ぴったりな役柄だなと思った。寧ろトクナナの一ノ瀬よりこっちのほうが良かった。

後は、外務分析官「松岡 黒龍」役の「西凜太朗」さんなんだけど、これまたいわゆる「いぶし銀」系のおっさん刑事が非常に似合ってて、PSYCHO-PASSの征陸さんのような渋さが非常に良かった。

でもこの独特の微妙にハスキーな感じ、どこかで聞いたことあるなと思っていたら、「プリズン・ブレイク」で、マイケルが一番最初に友達になる「フェルナンド・スクレ」の声の人だと知った時は、だいぶテンション上がった。

後はやはり同じく外務分析官「西村 月丸」役を、なんとあの「落合福嗣」くん(いやもう彼の年齢的に「さん付け」で呼ぶべきか)がやっていて驚いた。

声優をしているのは知っていたけど、普通にめっちゃ上手ですよね。


 OP:Sou - ミスター・フィクサー



ID:INVADED Opening Full - 『Mr. Fixer』by Sou

この「Sou(そう)」さんという方もどうやらニコ動出身のいわゆる「歌い手」さんのようですね。最近のアニメの主題歌でニコ動出身の人、本当に増えましたね。98年生まれということで、まだ21歳らしいですね。若。

楽曲的には、良くも悪くも「いかにもニコ動系」というか「米津系」ですね。歌詞とかぶっちゃけ全く意味がわからないですし。

ニコ動・米津系楽曲の歌詞の特徴としては「文字数多め・難し目な単語の多様」といった、「文学系な知的さと独特な世界観を匂わせつつ、それらをトリッキーな動きによる寝技で絡めたリズミカルな言葉遊び」という、自分でも何書いてるのかよくわからない感じの歌詞だと思うんですよね。

そういう意味ではドンピシャだと思うし、何よりこのアニメ作品の世界観にピッタリだと思うんですよね。なので、ぼくは割とこの曲好きですね。

 ED:MIYAVI - Other Side



ID:INVADED Ending Full - 『Other side』by MIYAVI

MIYAVIさんの楽曲ということなんだけど、これもかなり独特な世界観を出してますよね。

何よりギタリストでありながら、楽曲のビートがTRAPをベースとしているというのも面白いし、ファズ気味に潰れて歪んでいるギターを更に加工してインダストリアルなノイズみたいな感じにしてて、それもまたビートや雰囲気とマッチしていて、良いと思う。

OP・ED共にここ最近で聞いたアニソンの中では結構自分的に上位に入るかなあ。

 まとめ


この作品の良かった点は何よりも、「1クールで終わっているところ」だと思う。

普通この手の作品って、2クールやりたがるじゃないですか。ましてはここまで世界観とか設定がゴリゴリなやつって。

けど、それを1クールでまとめたのは潔いし心地良いと思う。このテイストの作品を2クールだと、まず間違いなく胃もたれする。

なので、これについては仮に2期とかをやるにしても、PSYCHO-PASSみたいに変にアレンジ強めにしないほうが逆にいいと思う。

JIGSAWED
西凜太朗
2020-01-13

 
 

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