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誰もが時間を買っている―「お金」と「価値」と「満足」の社会経済学
鈴木謙介


かなり面白かったし、参考になった。

あとがき含めて140Pしかない上に文章が読みやすいのでスイスイ読める。これはぼくにとって、非常に衝撃的だった。と、同時に遍く全ての本がこうであったらいいのになとも思った。

内容としては、ビジネスマン向けの時間術的メソッドではなく、社会経済的視点から見た「時間」というものの価値やその提供の仕方についてというところ。

具体的には、無価値な時間を削減する「減算時間価値」とその逆、有意義な時間を提供する「加算時間価値」という考え方について。

そのどちらが良いとか悪いという話ではなく、どちらにも価値があり、適した提供の仕方があるという話。ディズニーとUSJの例えがわかりやすかった。

 「減算時間価値」と「加算時間価値」という考え方


例えば、ディズニーランドはアトラクションの待ち時間を減らしていく「ファストパス」の発行、更にその発行の待ち時間を減らすために、アプリでも取得可能にしたという話。これが「無駄な時間を省く」ことに重きを置いた「減算時間価値」

片やUSJの場合は、寧ろ行列時間にも退屈させない工夫をふんだんに盛り込み「行列そのものもアトラクション化する」という「有意義な時間の提供」に重きを置いた「加算時間価値」だったりとか。

「減算・加算時間価値」は作者の造語だが、これは非常に的確でわかりやすい考え方だなと思った。

特に、ぼくがここ数年言い続けている「映画館はその体験がアトラクション化できないと生き残れない」という話にも通じている。

要は「加算時間価値」が今よりもっと高まらないと、映画館に対するニーズなんて、最早無いに等しいよねという話。

※関連過去ログ

要は、単に映像作品を鑑賞したいだけなら、わざわざ映画館に足を運ばなくても、スマートフォンやPCで映画館よりも安い料金で、しかも自宅や移動中に見れてしまう時代になっている。

単純に料金が安くなっているだけでなく、「映画館への移動」と「上映開始時間に合わせる」という時間的制約が取り払われたことによる「減算時間価値」が大きく働いているのが、いまのAmazonプライムやNetflix。

片や、割高な上に自分のペースでの鑑賞もできない映画館で見るメリットは?と考えた時、最早「減算時間価値」では勝負できない以上、正に求められるのは「加算時間価値」なわけだ。

本書ではビジネスで成功するための考え方として、こうした「加算・減算時間価値の概念」を持っておいたほうがいいよということについて説いている。

あと、単に時短すればいいってものでもなく「その空いた時間をどれだけ有意義に使えるか」が無いと、時短の意味がないという部分は、忘れがちな本質かなと。

要するに「業務効率化」と同じノリで「時間的コストを掛けない」ばかりにフォーカスしすぎてしまうと、そのうち「時短そのものが目的化してしまう」ということなんだろう。「時短はあくまで手段である」ということを忘れてはいけない。

 まとめ


また、冒頭でも書いたけど、兎に角ページ数が少なく読みやすい文章で書かれているので「すぐに完読できる」という部分にものすごく価値を感じた。時間というものの本質的な価値について言及している内容だけに、これは非常に重要だと思った。

ぼくの敬愛するメンタリストDaiGo氏の著作「週40時間の自由をつくる超時間術」も、時間について言及している内容なので、前書きが1Pにわずか4行、それも「時間を奪わないため前書きはあえて書きません」という注意書きだけというのを思い出した。

しかもこれがセブンイレブンで、たった¥500で売られているんだから、寧ろ買わない方がもったいない。

ぼくはこれを、仕事でPCが使えなくなってしまった時間の待ち時間に読み切った。正に有意義な時間の使い方をしながら、「時間」に関する本質を説いた内容について触れることができたのは、ぼくにとって非常に有意義だった。

これはあと2回位は読み直したい。



もしここで売り切れていたなら、Amazonでも買えるみたいです。(値段は高くなるけど)


※関連過去ログ
 
 

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