続・暴力団 (新潮新書)
溝口 敦
新潮社
2012-10-17




前作の1年後くらいに書かれているもの、今から約7年前のものなので、情報としての目新しさはないが、やはり今回も「暴力団そのものについて」というところで、非常に勉強になる。

特に「暴対法」と「暴排条例」の違いについてがわかりやすくて勉強になった。

 前作と今作の違い


前作が「そもそも暴力団とは何か」であったり、その特徴や現状について示しているものに対し、今作は前作を踏まえた上での「今後の暴力団の在り方(なくなっていくのかどうか)」ということについて探っていく内容となっている。

なので、前作未読でももちろん読める内容になっているが、深く知りたいのなら前作を読んでおくことをおすすめしたい。

 「暴排条例」と「暴対法」の違いについて


本書の中で特に興味深かったのは、個人的にはこの点。まずはそれぞれの名称について説明すると下記の通りとなる。
  • 暴排条例・・・暴力団排除条例  
  • 暴対法・・・・暴力団対策法
    (正式名称:暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)
で、原則的に「条例」と「法律」では、当然のことながら「法律」の方が強く、故にその定義も非常に明確だけど、「条例」の場合、各自治体によって制定されており、その定義も非常に曖昧でいい加減なものだとのこと。

で、この中で特にすごいなと思ったのが、東京都の暴排条例の第一条(目的)に定義されているこの内容だった。

この条例は、東京都における暴力団排除活動に関し、基本理念を定め、都及び都民等の責務を明らかにするとともに~

これですよこれ。排除する責任が「都及び都民にある」と条例では定義しているんですよね。これすごくないですか。

で、これによって、今までみかじめ料を払っていたカタギの飲食店等も罰せられちゃうというケースが増えてきたということらしい。

しかしこれについては、要は「暴力団の収入源」を根絶させる狙いがあって、実際にいま、末端の暴力団員たちは収入が絶たれ、身動きが取れなくなっているらしい。

で、先述したように、「条例」は「法律」よりも法的拘束力や科料裁定そのものは下位に位置づけられているものの、暴力団的にどちらが「痛いか」という点でいうと、「経済制裁的な意味では」条例の方が厳しいということなのだ。

 暴力団は「国によって認められた存在」


これも前作から繰り返し書かれていることなんだけど、日本の「暴力団」が諸外国と比較して何が突出して特殊なのかと言うとこの点。要は、「指定」暴力団という形で、「法律上でその存在を認めてしまっている」という点だ。

日本以外の国では、彼らのような存在(マフィアとか)は、法律上明確に「犯罪組織であり故に違法」と明確に定義しているものの、日本の場合「指定」した上で、彼らの活動における「禁止事項」を定めるだけにとどまっている。

ここに、「国(というより警察)としては、ぶっちゃけいなくなられるのも困る」という本音が垣間見える法律となっていしまっているということなのだ。これはなるほどと思った。

あと、この著者自身が暴力団員に刺されたエピソードについても触れられており、その部分についても非常に面白かった。

続・暴力団 (新潮新書)
溝口 敦
新潮社
2012-10-17


 
 

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