スネア (立東舎文庫)
高橋 まこと
立東舎
2017-08-21



超面白かった。

BOØWYというと、兎角「氷室京介」および「布袋寅泰」の方にクローズアップされがちなだけに、ベーシストの「松井常松」及び、ドラマーの「高橋まこと」についてはなかなか知る機会がないので、それだけでも読む価値はあると思う。

バンド最年長者でもある彼の視点からの、BOØWY時代のエピソードはどれも非常に興味深くて、非常に面白かった。

文庫版はページ数が300Pを超えていることもあり、非常に読み応えもあるので、BOØWY及び氷室・布袋のファンであれば必読の1冊と言っていいでしょう。

目次
 1章 青の時代(1954年〜1973年)
 2章 夜明け前(1974年〜1981年)
 3章 酒とバラの日々(1982年〜1993年)
 4章 楽しき人生(1994年〜2007年)
 5章 親友たち・そして家族
 6章(文庫版新章) THE GREAT ROCK'N ROLL LIFE(2008年〜2017年)

 1章 青の時代(1954年〜1973年)


こちらは、生い立ちからBOØWY以前のヒストリーなので、別段強烈に印象に残る部分等はないものの、実は「頭脳警察」というバンドからスカウトされていたというのは初耳だったので驚いた。

 2章 夜明け前(1974年〜1981年)


BOØWY加入前のバンド遍歴において、先の頭脳警察のエピソードもそうだけど、そもそもあまり高橋まことさんのバンドヒストリーって知らなかったなと思っていたら、ここでも初耳の衝撃。

まさか後の「レベッカ」や、ダイヤモンド☆ユカイと一緒に「RED WARRIORS」を結成するギタリスト「シャケ」こと「木暮武彦」さんと一緒にバンドをやっていたということに驚いた。

で、BOØWYファンとしては面白くなるのがこの章の後半、BOØWYとの出会いから加入に至るまでの経緯だ。

「遊びに来ませんか?」とスタジオに誘われて、流れで「IMAGE DOWN」を叩くことになるんだけど、その際のカウントの声がでかすぎて松井さんが爆笑しちゃって演奏できなくなったという有名なエピソードについて書かれていて、非常に面白かった。

で、結果的にそれが「実はオーディション」だったということがわかり、氷室さんから直々に「一緒にやりませんか」と誘われ加入するに至ったということだ。

 3章 酒とバラの日々(1982年〜1993年)


ここではおもに「新宿ロフト」時代の話がメイン。

そのライブハウスで、氷室さんと当時のロフトの店長がトラブって(というより氷室さんが一方的にブチギレて)一触即発状態だったものの、その店長がたまたま高橋まことさんの同級生の弟だったということで事なきを得たエピソードがある。

なんか聞いたことある話だなと思ったら、この番組で正にそのロフトの店長によって語られていた。(06:30あたり)



BOØWY ドキュメント

しかしなんと言っても特に面白かったのが、これもBOØWYファンの間では有名なエピソードである、「出演したイベントのギャラが現金ではなく、沢山の野菜だった事件」とか、ハイエースを自分たちで運転してツアーを回っていた等のエピソード。

この辺りは電車内で読んでて笑いを堪えるのに必死だった。

冷房機能の付いていないハイエースだったから、日除けのための苦肉の策として「アルミホイル窓に貼り付けた」というのは、確か「COMPLETE BOXとかのライナーだかで読んで知っていた。

しかし、結局は高速で風に吹き飛ばされて、ガムテープだけが無残に残ったというところで、あまりにも笑いを堪えるのがつらすぎて、一旦本を閉じた。

「アルミホイルべた貼りしたハイエース」って時点でも相当笑えるのに、それが風に吹き飛ばされるというのを想像すると、もう笑いしかこみ上げてこないwしかもそれを「あの氷室京介」が運転しているっていうのがなんともw

で、そんな悪戦苦闘をしながらようやくイベント会場に辿り着いて、「3万人くらい集まるイベントだから」と聞かされていたのに、イベントは実際はただの村祭で、ライブも30人くらいのご年配の方々がチラホラいただけとか、あまりにもマンガ的展開過ぎるw

で、そんな状態でもなんとかライブをやって、もらえたギャラが「盛りだくさんの手作り野菜」で、これじゃあんまりだからってことで、なんとか再交渉して、帰りの高速代だけはもらったとか。

この手の話をはじめ、基本的にBOØWY時代の話は、非常にほのぼのとしたエピソードが多いのが印象的だった。

 まとめ


これらから読み解く限りでは、BOØWYの解散ということについて、「氷室さんと布袋さんの不仲」と思われがちだけど、「実際はめちゃくちゃ仲のいいバンド」だったということがよくわかる。

解散に言及している箇所について、最終的氷室さんと布袋さんは、「マネージャーを通してしかコミュニケーションを取ってなかった」とあるけど、それは「仲が悪かったから」ではないような気がする。

少なからずナーバスにはなっていただろうけど、寧ろ「空気を悪くさせないための配慮」ということも考えられるし、単純に作詞・作曲をおこなう二人だから「スケジュール的に過密だった」ということも考えられるのではないか。

※解散が決定してからはソロの準備等もあっただろうし。

仮に仲が悪かったとしても、それが解散の理由なんじゃなくて、寧ろ「解散という決定事項」が二人を不仲にさせたと読み取るほうが自然なのではないかと思う。

まあ、この辺りについては、今度別の機会にじっくり描きたいと思う。いずれにしても、非常に読みやすい文体で、高橋まことさんの人柄が非常によく現れた、実に面白い読み物だと思う。

BOØWYファンなら必読の一冊ですね。

スネア (立東舎文庫)
高橋 まこと
立東舎
2017-08-21


 
 

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