■aiko、安すぎると話題のCD価格の理由説明■
2019年4月23日13時56分 - 日刊スポーツ

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シンガーソングライターのaiko(43)が、6月5日にリリースする4枚組アルバム「aikoの詩」の価格が「安すぎる」とファンの間で話題になっていることを受け、事情を説明した。

同アルバムは、1998年にリリースされたファーストシングル「あした」から昨年リリースされた「ストロー」までの38枚のシングル作品(両A面を含む)の表題曲を網羅した全42曲を3枚に収録。さらにシングルカップリング曲をまとめた1枚を加えた4枚組の豪華盤ながら、通常盤の価格は3500円+税。

~中略

また、「この値段で作れるんやったら今までは?とか思った人もいるかもしれませんが」と、これまでの価格設定に疑問の声があがることを予測し、「違います。マジで違うー。ただ必死に頑張ってもがいてより多くの人に届くためにはどうしたらいいかを考えた結果です。伝えたいし届けたいし長く歌っていきたいんですー!CDをまた手に取ってほしいなーって」と説明した。

 そもそも、CDの「需要」がない現状


もう今の時代CD安くすることに、最早何の意味もない。音楽コンテンツを売る手段としてCDを作るのは、最早「愚策」以外の何物でもないと言える。

「音楽がCDである必要性」がなくなった以上、CDで売ることの意味が最早なくなったんだから、意味(価値)のないものの価格を下げたとて「買う人の数」がそもそも少ないのが現状だ。

つまり、「価値」に見合う金額であるかどうかという問題ではなく、「そもそもの需要が無い」という話なんだこれは。

CDを「音楽を売る手段」として考えるのはもう古く、そのビジネスモデルが10年くらい前の段階でもう既に形骸化しているというのは、正にそうした理由からなのは火を見るより明らかだ。

しかし、日本でまだ「音楽市場=CD販売」という形式が残存しているのって、既得権益を捨てられない一部の連中もそうだけど、アーティスト側に「CDの需要は最早枯れている」という現状が理解できてていないことにあるとぼくは思っていて、それこそが、一番の問題だとも思う。

これって、すごく恥ずかしいことじゃないか。

本来的にはアーティスト本人こそが、誰よりも先にわかってなければならないことだと思うし、「誰よりも率先してCDを捨てていく」という方法論を取らなければいけないはずだと思うんですけどね。

日本のアーティスト、特にインディーズでのCD販売経験の無いアーティストで、件のaikoみたいに「音楽=CDが当たり前」だと思っている「CDで育った世代」なんかは、この辺の危機意識がなさすぎると思う。

 CDとして売ることの「意味」はなんなのか


こないだの「映画館の話」と似ていて、CDに価格をつけるなら音楽コンテンツの享受以外に「そのCDを買うことの意味や価値」というものに対して説得力のある価格でなければいけない。

※関連過去ログ
http://blogrider.tokyo/archives/17447993.html
http://blogrider.tokyo/archives/17060892.html


つまり「CDそのもの」に価値がなければマニア以外、わざわざそんな面倒臭いものを誰も好き好んで買わないよねって話。

このご時世でCD買う人って、経済的に余裕があってITリテラシーの低い年寄りか、グッズとしてコンプしたいマニアだけ。CDが「アイドル」と「アニメ・声優」と「演歌」しか売れてないってのがその証左じゃないのかね。

要するに、どうしてもCDを売りたいのなら「価格を下げる」のではなく「価値を上げろ」って話。それもコンテンツクオリティとは別の意味での価値を。

例えばそれこそ今の時代は、「音楽というコンテンツだけ」であればMP3等のデータダウンロードだけで事足りる。

でもその状況でそれでもなおCDを売りたいというのならば、データだけでは得られない「体験価値」を、CDという「モノ」に付加させることが出来て、ようやくはじめて「CDであることの意味」が見い出せると言えるのではないか。

もう昔みたいに「CD=音楽を聞くための唯一手段」ではなくなったんだから。

だから、「大幅な特典等の付与」の他に「コレクターズアイテムとしての希少性」も加味した上で、寧ろ枚数限定にして、価格を思いっきり上げればいいと思う。

そうやって「プレミア感」を出すことで「CDであることの意味や意義、真価」というものが発生する。

更にはその後、「アーティスト自体の価値や信頼感」が上がることでそのプレミア感を持ったかつて販売したCDが、プレミア感からいよいよ本格的に「プレミア化」する。そこで、更にその価値は上がる。

今の「レコード」の存在意義が正にそのポジションを獲得しているように、CDもそうでなければ意味がない。

 まとめ


CDを作る側も売る側も買う側も、時代遅れな過去の遺物にいつまでもしがみついてないで、さっさと脱却して時代の波にちゃんと乗って、1年後2年後を常に予測しながら戦略を立てていかなければ、これから先の時代とてもじゃないがサヴァイブ出来ないのは自明の理だろう。

で、今なんてネットで個人が会社の力を借りずとも誰でもスターになれる時代なんだから、アーティスト自身がきちんと自身の「音楽ビジネス」について把握して、きちんと「ビジネス」として運用できるようにならないとダメだって話。

「お金のために音楽をやっているんじゃないんだ!」という情熱だけで音楽をやりたいなら、インディペンデントで収益度外視の音楽を、独りで勝手に「趣味の範囲で」細々と続けてればいい。

だけど、「メジャー(プロ)としてやっていく」ということは、それは「ビジネス」でもあるわけだ。

これからの時代、アーティスト自身がちゃんと「ビジネス」をきちんと理解して、自分自身でもある程度リスクヘッジやマネジメントが出来ないようでは、このままだとニコ動出身のアーティストやユーチューバーに食われていくだけ。

というか、ユーチューバーでいったら、ミュージシャンではないけどHIKAKINがそうだし、ニコ動出身のアーティストということで言うと「米津玄師」や「ゴールデンボンバー」なんかが実際もう既に既存の「メジャーシーン」を食い始めているじゃないか。

TVもCDも、もう既に「ネット発のコンテンツ」にどんどん塗り替えられている現状に、いよいよ本格的に危機感を持たないとダメでしょ。

CDなんて売ってる場合じゃねえよ?まじで。

 
 

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