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LUNA SEA - STYLE(5th ALBUM)
1996年4月22日リリース

・タイトルはベースのJが考案

●収録曲
1. WITH LOVE 
2. G. 
3. HURT  
4. RA-SE-N 
5. LUV U ※6th SINGLEカップリング(表題曲:DESIRE)
6. FOREVER & EVER 
7. 1999 
8. END OF SORROW ※7th SINGLE(c/w:TWICE)
9. DESIRE ※6th SINGLE(c/w:LUV U)
10. IN SILENCE  ※8th SINGLE(c/w:Ray)
11. SELVES

23年前の今日リリース。
23年とか信じられない。体感的には12~13年程度。

このアルバムも、LUNA SEAの名盤だとは思うが、でもぶっちゃけ最初ちょっとついていけない部分もあったし、正直ぼくはどちらかと言えばMOTHERの方が好きだったりする。

とはいえ、このアルバムは当時のLUNA SEAの熱量が沸点に達していた頃で、それ故にネガティブな部分も含めて、非常にカオティックでセンシティブだったように思う。

触れると火傷するではないけど、見てる方もやってる方も、何かの瞬間に張り詰めていた糸が切れそう言うか、触れた瞬間に壊れそうと言うか爆発しそうと言うか、そうした「爆発寸前ギリギリ感」がビリビリと伝わってくるような、そんなアルバムだと思う。

 1. WITH LOVE

 SUGIZO原曲
 https://www.youtube.com/watch?v=FRG5BfhITmA

レコードに針を落とした時の温かみのあるノイズ音から、RYUICHIの優しく囁きかけるような歌い出しで始まる、6/8拍子のロッカバラード。

こうした曲でアルバムの幕を開ける事自体が彼らにとっては初の試みだとも思うし、もう完全に「V系」という世界観からも脱却した感があるというか、本格的に音楽で勝負しにきてる感も伺える曲だと思う。

これは決して今までの彼らが「音楽で勝負していなかった」という意味合いではもちろんない。

どんなビジュアルであろうと、どんな曲であろうと「LUNA SEAとはこういうバンドだ。これがおれたちのSTYLEだ。どこからでもかかってこい!」という自信の現れという意味であり、それこそがまさにこのアルバムタイトルに現れているということだ。

楽曲面について言うと、何よりも、音作りとしてSUGIZOらしいインダストリアルとも言えるクラッシュ&ノイジーな「汚し」を入れつつ、RYUICHIの声は耳元で囁きかけるピロートークのような甘さという対比が非常に面白いと思う。

この時代にこーゆー曲を作ったSUGIZOもすごいけど、こーゆーアレンジにしたメンバーもすごい。

 2. G.

 J原曲
 https://www.youtube.com/watch?v=r0HAEV5rZGw

もうこれは言わずもがなの「J節炸裂!」なアタックナンバー。

「J」といえば「G.」、「G.」と言えば「J」、つまりは「GJ」――は?何を言っているんだぼくは。Oh Please, Help me GOD!!!!

それにしても、ギターのリフといい、前曲との対比も相まって、突き破るドライブ感が半端ない。こんなに「2曲目」が相応しい曲ってあるだろうか。

でもSUGIZO的には1曲目にしたかったらしいが、しかし徹底した民主主義によるLUNA SEAにおいては、可決されなかった。

でもこの曲のイントロを考えると、直前になにかの曲があってこそのこのイントロだと思うので、やっぱりこの曲は「2曲目」というのが相応しいと思う。

因みに自分でプレイリスト作成するときには、前作「MOTHER」の1曲目「LOVELESS」の後に、「ROSIER」ではなく、この曲を持ってくる事が多かった。多分、同じことをしている人結構多いと思う。

また、ライブでは最初のAメロのところで、あえてベースを抜いているのもカッコいい。

あと、この曲タイトルの「G」って、曲を聞く前はてっきり「重力加速度のG」のことかと思っていたんだけど、実は「GOD」の「G」なんですねよねー。まあ、思っきし「Oh Please, Help me GOD」って言ってますしね。

 3. HURT

 J原曲
 https://www.youtube.com/watch?v=ZB3FdiuwS2I

不気味なシーケンスからの真矢のドラムで幕を開ける。

曲順位置的にも雰囲気的にも、前作「MOTHER」に収録されている「Face to Face」を彷彿とさせるが、J原曲ってこともあり、この曲の方がよりネイキッドでワイルドな印象。

個人的には、後のJのソロ曲の「A FIT」とかに通じている曲な気がする。


 4. RA-SE-N

 J原曲
 https://www.youtube.com/watch?v=Uc2ho7-3seA

基本ビートが「5/4拍子」という変拍子ナンバー。LUNA SEAでこういう変拍子の曲ってかなり珍しいと思う。

イントロのアルペジオから来る「暗くてジメジメした地下の密室感」から、僕はてっきりINORAN原曲だと思っていたんですけど、歌メロを聞くとJだなって思う。

何気にJの「ドロドロ系の曲」って結構珍しい気がする。このカオティックっぷりは、4th SINGLE「TRUE BLUE」のカップリングである「FALLOUT(こちらもJ原曲)」に通ずるものがあると思う。

あと、「暗さ」っていうことで言うと1st SINGLE「BELIEVE」のカップリングである「Claustrophobia」にも非常に近いと思う。

でも面白かったのが、Wikipediaのこのアルバムのページ。

この曲の説明のところで、「RYUICHIはこの曲を演奏するときには、自分の世界に入り込んで歌うとのこと」って書いてあって、「いや、そらそやろな」って思わずツッコミを入れたわwミュージシャンはみんな少なからず自分の世界に入り込まなきゃライブなんて出来んでしょうに。

とは言え確かに、LUNATIC TOKYOだか真冬の野外だかの時のこの曲のRYUICHIの目線の動きとか、表情の「イっちゃってる感」、あれは確かにやばかったw

 5. LUV U

 INORAN原曲
 https://www.youtube.com/watch?v=fNZTxSX2BgM

先行シングルである6th SINGLE「DESIRE」のカップリング。てゆーか、カップリングもアルバム収録曲とか、ぶっちゃけ買う意味なかった。

前曲「RA-SE-N」がINORAN原曲と勘違いしており、こっちをJ原曲と勘違いしていた。特にサビが非常にJっぽい気がする。でもAメロとか確かにINORANなんですよねえ。

LUNA SEAってアルバムの中に必ずこーゆー、「誰が原曲持ってきたのかわからない曲」ってのがあるから面白い。

因みに、2017年に「LUV」というタイトルのアルバムをリリースしたが、それとの関連性はまったくない。

 6. FOREVER & EVER

 J原曲
 https://www.youtube.com/watch?v=auljZLCrB5o

LUNA SEAの中でも屈指の名曲であり、バラードの中では最も支持されているんじゃないかという名曲。

こちらも6/8拍子の曲だが、OPナンバーである「WITH LOVE」とはことなり、10分という大作であることからも、「人間愛」的な壮大さを感じる曲。

これは歌メロから何から、J節炸裂ですね。Jのソロ曲にあっても違和感がない。実際、LUNA SEAの楽曲は主にRYUICHIが作詞をすることが多いけど、この曲については、全てJが作詞をしたらしい。

途中の英語の語りもJによるもの。

 7. 1999

 SUGIZO原曲
 https://www.youtube.com/watch?v=PGt7A7ecpvo

非常にSUGIZOらしい曲。

SUGIZOの「攻撃モード」全開な曲で、前作「MOTHER」に収録されている「IN FUTURE」を更にカオティックにし、ダークサイドを強調したような曲。

因みにこの曲は変則チューニングで、奇しくもベースのJのチューニングが「D・E・A・D」と並ぶことから「DEADチューニング」と呼ばれており、ライブの時もそれ用の青のTVBに持ち替えていたと思う。

これね
ttd

ボディにはこのシリーズでは「WAKE UP!MOTHER FUCKER」って書かれているのに、こいつだけ「TUNE THE DEAD」と書かれている。わかりやすい。

 8. END OF SORROW

 SUGIZO原曲
 https://www.youtube.com/watch?v=-0ciUssLpwo

7th SINGLE曲。

前曲の終わりにて女声によるナレーションがあり、そのままこの曲の冒頭の「I need you」につながっている。この繋がり方はかっこいい。

曲の構成がかなり変わっていると言うか、確か原曲を作成したSUGIZOは当時の音楽雑誌のインタビューで、「どこで区切っていいのかわからないようにしたかった」というようなことを語っていたのをうっすら記憶している。

実際この曲って「どこまでが1コーラスか」が非常に分かりづらい作りとなっていて、一区切りついたと思ってもすぐに次に展開するようになっている。

なので、カラオケで歌う時「1コーラスだけでやめる」ということがしづらい曲でもある。

前作「MOTHER」では、「CIVILIZE」でシンメトリー構成にしてみたり、曲構成でトリッキーなことをたまにやるんですよね。よくこういうアレンジを思いつくもんだなと感心する。

 9. DESIRE

 SUGIZO原曲
 https://www.youtube.com/watch?v=oAH3VYo7cmQ

6th SINGLE曲。この曲については、別途シングルリリース日に書いていたので、詳細についてはこちらからどうぞ。

http://blogrider.tokyo/archives/13814405.html

 10. IN SILENCE

 SUGIZO原曲
 https://www.youtube.com/watch?v=rBsviA3ugZM

8th SINGLE曲。「シカゴ・ホープ」という当時の医療系海外ドラマの主題歌にもなった曲。何気にLUNA SEAにとって、初のタイアップ曲。

にしても、最初にこの曲を聞いたときの印象は、「なんかBUCK-TICKの「JUPITER」みたいだなあ」というのが正直な感想だった。

アコースティックなアプローチや、爽やかな風に運ばれてくるかのような優しいメロディーなんかから、てっきりINORAN原曲だと思っていたんですけど、SUGIZOさんでした。

そして、これは結構有名な話ですけど、このPVに出演している外国人の少年、どこか見覚えあると思いませんか?

そうです。子役時代の「ウエンツ瑛士」氏です。

 11. SELVES

 INORAN原曲
 https://www.youtube.com/watch?v=giFUdGU_THc

鐘の音で始まり、リムショットで淡々と時を刻んでいく様子は、またしてもBUCK-TICKの「太陽ニ殺サレタ」をいやでも想起させますね。

それにしても、前曲までは割とライブのセットリストを意識したかのような曲の並びなのに、よりにもよってこの曲が最後ですかと、最初は思った。こんな暗い曲でと。

イメージとしては薄暗闇の中で目を凝らして何かを見ているんだけど、雨で窓ガラスが濡れているのか、涙で視界が滲んでいるのか、あるいは水の中から光を探しているのか、水の中に光を探しているのか。

そうした「水」とそこに夢現(ゆめうつつ)で揺蕩うさまといったぼんやりとした、そんなイメージを抱く。

そう考えると、確かに何度か聞いているうちに、これが最後の曲として相応しいような気もしてくる。実際、メンバー満場一致で「これは絶対最後だよね」っていう感じで決まったらしいし。

確かに暗くて寂しい曲ではあるんだけど、でもこのまま1曲目の「WITH LOVE」に回帰していくところを想像すると、しっくり来る気がする。

しかし、この曲の何がすごいって、ドラムが終始リムショットしか使わず、スネアの出番が無いままビート的な盛り上がりを一切見せないにもかかわらず、8分という決して短くはない時間を長く感じさせないのは、もう本当に流石としか言いようがない。

1音1音に込められている魂とその熱量と、それを伝えきる説得力が半端ない。

こんなすごい曲を20代で産み落として演奏できるというところに、LUNA SEAの「芸術家」としての凄みを感じずにはいられない。売れるべくして売れたバンド。

 まとめ

このアルバムをリリースして、LUNA SEAは1年間の活動休止期間に入った。

改めてこのアルバムを聞くと、それも納得の行く話というか、あれがなかったら、もっと早くに爆発して終わっていたんじゃないかという気がする。

冒頭にも書いたけど、このアルバムはそうした危うさごとまとめて、当時の全てを、一番高いテンションのままパッケージングした作品なんじゃないかと思う。

でも、入門編としては個人的におすすめはしない。何も知らない人は、まずは「このアルバム以外から」聞いたほうがいいでしょう。

STYLE
LUNA SEA
MCAビクター
1996-04-22



 
 

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