※関連過去ログ

今回も面白かった。

前作「私が「ヴィジュアル系」だった頃。」の続編ということだが、前回は、「V系黎明期~V系ブーム終焉までの目撃者と当事者達」による対談だったが、今回は「わけありV系」という括り。

第1章の「Janne Da Arc」のVo.「yasu」以外はおよそ「V系」とは言えない人たちなんだけど、「わけあり」で括っているところがおもしろいし、実際対談内容も面白かった。

本作での対談ラインナップは以下の通り。

1. yasu(Janne Da Arc)
2. 小室哲哉(V2)
3. 藤井麻輝(SOFT BALLET)
4. PATA(X JAPAN)
5. 井上貴子(ライター ※女子プロレスラーではない)

以上です。

1. yasu(Janne Da Arc)

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Janne Da Arcというと、所謂「第二次ヴィジュアル系バンドブーム」のど真ん中にいたバンドで、別の言い方で言うところの「BreakOut世代のバンド」でもあるわけですよ。

BreakOut

96年10月~2001年12月までテレ朝でOAされていた、深夜の音楽情報番組。番組開始当初はV系中心のラインナップだったものの、V系ブームの沈静化とともにメロコア系にシフトチェンジして、恐らくその急激な路線変更に多くのV系ファンは落胆し、視聴率が激落ちしたのだろう、2001年に番組は終了。

しかし、2012年に「新生」と銘打って復活。2019年の今でも継続してやってるらしいw

しかし、所謂「売れるための手段として」戦略的にV系に足を踏み入れたにもかかわらず、自分たちのことをはっきりと「V系である」と言い切っているところがすごいと思った。

その理由としてこのように語っているところが、目からウロコだった。

  • なんかねー、僕は逆にその――Tシャツ姿の普通のバンドいっぱいいるじゃないですか。「あんなん逆にロックじゃないんちゃうかな」っって思うだけで。
  • だってロックって、そもそもカッコつけてナンボじゃないですか。
  • 「形から入るのがロックじゃないの?」って、ぼくは思うんですよ。むしろ、そういう方がかっこよく感じてしまうっていうか。

これ、ホントそのとおりだと思う。あとは、その「BreakOut」のことを散々酷評しているのが面白かったw

前作「私がヴィジュアル系だった頃」でもPierrotのキリトが「利用させてもらっていた」という旨のことをいっていたので、yasuも同じような気持ちだったのだろう。

にしても、BreakOutのWikipediaを見ていたら、番組サイドはラクリマとかSHAZNAのことを「卒業生」とか言っているらしくて、ちょっといくらなんでも失礼じゃないかと思った。ラクリマとかSHAZNAのことなんて全然好きじゃないぼくですら、ちょっとイラッときたw

そもそも「卒業生」って何だよって話ですよねwお前らが勝手に取り上げてただけだろうとwぼくがアーティストの立場だったら「いや、卒業も何も、入学どころかそもそも入試すら受けてないんだが?」って話だ。


2. 小室哲哉(V2)

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本書の中で、「TM NETWORKはV系の元祖だ」という発言を小室哲哉自身がしていたという話になっていて、「えっ?」ってなったwその発想はなかったわw

そんなにいうほどメイクをしていた印象ってなかったけど、言われてみれば確かに初期の頃は、結構メイクしてたな。1974とか。

あとは、小室哲哉が音楽ビジネスにおいて、YOSHIKIのやり方を参考にしていたというのが意外だった。

まあ、確かにYOSHIKIはEXTASY RECORDSを立ち上げて、原盤権自体も自分で持ったりしていたので、その辺のやり方が型破りだったこともあって、一目置いていたようだ。(原盤権まで自己所有するアーティストは珍しい)

たしかにそう考えると、YOSHIKIってそういう意味ではエポックメイキングな存在だったんだなとは思う。


3. 藤井麻輝(SOFT BALLET)

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V系でないにもかかわらず、LUNA SEAやBUCK-TICKと一緒に「LSB」として3マンツアーやったり、そのB-Tの今井寿と「SCHAFT」というユニットを一緒にやって「DANCE 2 NOISE004」という、インダストリアル系のコンピレーションアルバムに参加したりということもあって、何故かV系ファンに愛されてしまった人という「わけありV系」として本書の対談相手として選ばれたという経緯がまず面白いw

更に面白かったのは、彼自身が所属していた「SOFT BALLET」というバンドに対して、他のV系とは明らかに異なる「距離感」で接していたという点が非常に面白かった。

メンバー3人共全く「お酒」を飲まないということもあり、「ミーティングさえしなければ解散はしなかったと思う」などとも語っていて、なるほどと思った。

ミーティングをしないならしないで、しないまま突き通せばよかったのに、最後に「今後について話し合おうか」とかなっちゃったから――そこで爆発しちゃったんですね。

あとは、V系ブーム収束後の「(当時の)最近のV系」というところについて、「(ブームが収束した)今だからこそメインストリームに出て欲しい」という旨の発言をしていたのが印象的だった。



4. PATA(X JAPAN)

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画像はあえて古い画像、Xメジャーデビュー直前期、EXTASY RECORDSからリリースした「VANISHING VISION」の中ジャケのものを持ってきた。

だけど、古参のファンなら周知の事実だけど、こんなヴィジュアルをしていながらも、中身は仙人みたいな人で、この人も先のSOFT BALLETの藤井麻輝同様、ある意味でメンバーとの「距離感」を保ってた人だった。

それ故に著者の市川氏にも「当時から的確なX批評を漏らしてた」と指摘されていた点が面白かった。「何かといえば金屏風の前で記者会見ばっかりやっている」とかw

あとはやはり「故・hide」についての話が印象深かった。

やはり、あまり物事に動じないイメージのPATAであっても、hideの喪失は相当堪えたらしく、当時はXは解散していて、PATAはソロ活動として「P.A.F.」をやっていた最中だったわけだけど、そのツアーの初日を飛ばしたらしい。

でも、それくらい落ちていたにもかかわらず、hideが「手のひら返しのような死後評価」をされているという現実については、「みんながいい風に捉えてくれたらそれでいいんじゃねえかな」と、寛容に捉えている点が印象的だった。

むしろ著者の市川氏のほうが感情的になっていて、古参のファンと同じ目線ではあるけど、やはりPATAは直接的な関係者という意味での「当事者」だからこその考え方なのかなと思った。言わば「遺族」と一緒なんでしょうね。


5. 井上貴子(ライター ※女子プロレスラーではない)

著者である市川氏の弟子的存在のライターさんということらしいが、ぼくは知らなかった。まあ、知らずに読んでいた可能性は大いにあるけども。

ここでは「私が元祖<V系>文学少女だった頃」と題されていて、「文学少女から見たV系」についての話が非常に面白かった。

本書及び前作の中でも「V系はヤンキー文化の産物」という視点で語られている中、「その中にある文学性」という点において「BUCK-TICKの不思議なラヴソングは「異物」としてすんなり入っていけた」と語っていたのが面白かった。

また、この方が「嫌・男根主義」というところでV系に対して「やおい(今で言うBL的要素)」を見出していたところについても、なかなか興味深かった。

というか、ぼくが感じていた「V系好きな女子特有の特殊性」とは正にこの辺りに起因しているのかなという納得感があった。実際、BLモノに出てくる男性ってどこかV系的な香りを感じるみたいな所あるし。


まとめ

前作も非常に面白かったけど、今回も対談相手のチョイスが独特で、非常に面白かった、特に、小室哲哉が出てくるとは思ってもなかったので、非常に驚いた。

やっぱり「V系」って言う特殊かつ日本のオリジナルカルチャーを、もっとみんなよく知るべきだと思った。本当に面白いですね、ヴィジュアル系って。



※画像引用元
 https://akanbo-media.jp/posts/3522
 https://amzn.to/2U9anGE
 https://www.cinra.net/interview/201512-minus
 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10199246540


 
 

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