映画 「予告犯」 (通常版) [DVD]
生田斗真
TCエンタテインメント
2015-12-04

上映時間:119分

■スタッフ
監督:中村義洋
原作:筒井哲也
脚本:林民夫

■キャスト
生田斗真:奥田宏明(ゲイツ)
戸田恵梨香:吉野絵里香
鈴木亮平:葛西智彦(カンサイ)
濱田岳:木原浩一(ノビタ)
荒川良々:寺原慎一(メタボ)


2回目。超面白かった。

元々はマンガ原作で、この人のマンガが非常に好きだったこともあり、たまたま読んでいたわけだけど、実写化されて、ライムスター宇多丸さんのウィークエンドシャッフル内で放送されていた映画評論のコーナーで、氏の評論を聞いたことで見るに至った。

とはいえ、ジャケットの感じからして「マンガ原作だけど、これはアタリのやつだ」と確信した。

数年前の映画なので、以降は「ネタバレ」を含みます。

 ストーリーについて


主にSNSなんかで失言し炎上した人間をターゲットに、ネットカフェから生配信で犯行予告をおこない、独自の正義で制裁を加えることを目的とした犯行グループ「シンブンシ一味」によるクライムサスペンス。

ぶっちゃけ、この映画があまりにも良すぎて原作がどんな感じだったか忘れてしまったんだけど、殆ど原作に忠実に作っている印象を受けた。

覚えている範囲で原作と異なるのは、原作では清掃会社でバイトしているシーンがあるが映画ではそれがなかったのと、設楽木議員の事件の犯行内容が異なってた気がするくらいなもん。

作品の世界観を著しく損なうようなチープな改変は、この映画については一切行われていないので、その点は安心して見れる。

 キャストについて


全員ドンピシャじゃないかと思う。

特に、主要キャストはもとより、予告犯である「シンブンシ一味」結成のキッカケにもなった「ヒョロ」こと「ネルソン・カトー・リカルテ」役の「福山康平」くん(当時おそらく17歳前後)だ。


福山康平:ヒョロ(ネルソン・カトー・リカルテ)役

2053700_201701200856408001484891575c
※画像引用元
 https://www.oricon.co.jp/news/2053700/full/

宇多丸氏もラジオで言ってたけど、ホントにフィリピンのハーフっぽく見えて、物凄くリアルだった。よくこんなドンピシャな容姿の子いたもんだなと思う。片言の日本語もすごく上手だったし。


生田斗真:ゲイツ(奥田宏明)役

gei2
※画像引用元:
 https://www.youtube.com/watch?v=KERjWLoxSaA


宇多丸氏もラジオの中で言っていたけど、兎に角「声」が良かった。新聞紙を被って犯行を予告している時の声が非常にいい。

エフェクト自体のかかり具合によるところが大きいと言われればそうかも知れないけど、声に含まれる「怒り」以上に「悲しみ」が込められている気がした。

でも、片や仲間たちと話している時、特にヒョロに語りかける時は、その中に「優しさ」とか「希望」みたいなものが垣間見えている気がした。

そういう意味で、やはりこの人は非常に「演技がうまい」と思った。


濱田岳(ノビタ)役・鈴木亮平(カンサイ)役・荒川良々(メタボ)役

259430
※画像引用元:
 https://www.cinemacafe.net/article/2017/01/09/46188.html


この3人もちゃんとキャラが出てて、非常にうまかったと思う。特に荒川良々がやはり良いキャラクターだった。

4人が出会う場となった、ともすれば精神崩壊しかねないあの作業現場の中で、彼の温かみのある存在が、みんなに僅かな希望をもたらしていたんだろうなと言う気がする。

だからこそ、彼が最初にその現場監督の頭にスコップを振るった時に、みんなが共犯者になる道を選んだような気がする。

それだけに、回想で彼の誕生日をみんなで祝うシーンや、最後の取り調べのシーンでは、鼻の奥がツンとした。


戸田恵梨香:吉野絵里香 役

259431
※画像引用元:
 https://www.cinemacafe.net/article/2017/01/09/46188.html


やはりこの人は刑事役がほんと似合うと思う。

「頭が良くて気が強いエリート刑事」っていうところで言うと、やはりどうしても「SPEC」を思い出す。まあ、おそらくはそれがあっての、この役のオファーだったんでしょうけども。

特に、性的被害にあった女子に対し「ホイホイついていく女も悪い。自業自得じゃねーの」とツイートしたことで「シンブンシ一味」の怒りを買い、元気玉を注入されてしまった大学生の事件。

この事件での事情徴収の際に、「ケツの穴にアナルバイブをブチ込まれたってことね?」というセリフをしれっと真顔で言うところと、その後「自分でホイホイついてったんでしょ?自業自得じゃねーの?――って言われたら、どう思う?」というところは、もう完全に胸スカw

やっぱこの人かっこいいなあと思った。


窪田正孝:ネットカフェの店員役

sub18_large
※画像引用元:
 https://eiga.com/movie/80765/gallery/9/


彼は、シンブンシ一味のリーダーである「ゲイツ」に手を貸すネットカフェの店員役として出演している。この頃は人気の出始めにエンジンかかりだす直前くらいの頃だからなのか、出演時間は短い。でもすごく美味しくて重要な役どころだと思う。


 脚本・演出について

SNSの描き方や演出方法が古い


宇多丸氏もラジオで言ってたけど、「ツイートに声を当てる」という表現方法は、いくらなんでも手法として古過ぎでしょう。ここはちょっと寒いなーと思った。

Windows XPがスタンダードだった時代のTVドラマじゃないんだから、ツイートを表示させるのはいいとしても、演者にそれ喋らせちゃダメでしょうwステレオタイプにも程がある。

因みにここは原作ではそんなステレオタイプな演出はされてなかったので、むしろ結構リアルに描かれていたくらいなんですけどねえw

というか、この映画に限らず、日本のドラマや映画の中での「インターネット」の描き方って、未だにすごく古臭いですよね。


派遣社員をいくらなんでもゴミ扱いしすぎ。


これもちょっとステレオタイプがすぎるよなーという印象。

確かに「派遣」というだけでやたらと下に見る会社というのも、実際に目の辺りにしたことはあるけども、にしてもここまで酷い差別はないってwこれはもう、普通に人種差別のレベル。

会社のブラックっぷりが、一昔前のブラック会社過ぎる。


追跡シーンが生々しくてよかった。


戸田恵梨香演じる「刑事:吉野絵里香」が、ゲイツを走って追いかけるシーンで、BGMがないことでかえって緊張感が生まれているっていうのも勿論そうなんだけど、何気にカメラワークも非常に良かったと思う。

あと、現地の地理的状況が個人的には非常にツボだった。

路地の感じとか、もちろん散々ロケハンして、あの「いい感じの場所」を探し当てているんだろうけど、それにしてもいい感じすぎる。あれは、すごくいい地形。

また、「路地好き」としては、この手のシーンにありがちな、極端に狭い路地裏や小道ではなく、どこにでもある普通の住宅街なんだけど、ちょっと古くさい感じの町並みってところがまたいい。

ちょっと狭いんだけど、決して狭すぎない感じというんですかね。その辺りの塩梅が非常にちょうどよかった。てか、路地の話に字数割き過ぎましたね。失礼しました。


 まとめ


何でもかんでも「原作に忠実であること」がいいとは思わないが、本作については原作が完璧な分、不要な要素は一切入れずに描いてくれているところは非常に良いと思った。それだけに、いささか暗い印象も受けるが、これはこれでいいと思った。

かなり面白い作品なので、是非オススメしたい!

映画 「予告犯」 (通常版) [DVD]
生田斗真
TCエンタテインメント
2015-12-04


 

 
 

ちょっとでも楽しんでいただけたり、参考になりましたら、読者登録をいただけると嬉しいです。

※「ブログリーダー」は「LINE」に更新通知が届きます。
※FeedlyはRSSで更新通知が確認できます。 ■EDIT