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LUNA SEA - LUV(9th ALBUM)
2017年12月20日リリース

※REBOOT(再結成)後、2枚目のアルバム。

●収録曲
①Hold You Down
②Brand New Days
③誓い文
④piece of a broken heart
⑤The LUV
⑥Miss Moonlight
⑦闇火
⑧Ride the Beat, Ride the Dream
⑨Thousand Years
⑩Limit
⑪So Sad
⑫BLACK AND BLUE

正直、いまいち。

こちらもワンオクのときと似たような理由ですね。ただ、そのベクトルが少し異なるってだけで。

具体的には、こちらも1曲1曲は非常にいい曲が揃っているとは思うんですよ。ただ、全体通して聞いた時にやはり物足りなさと言うか、「大人過ぎる感」を感じてしまうんですよね。

こっちとしては、前作「A WILL」で言うなら「ROUGE」とか「Metamorphorsis」とかそういうアッパーで攻撃的な曲なんかも期待してたし、「Glowing」のようなヘヴィな曲も期待していたのに、そういう要素は大分薄まってしまった。

確かにその分の「濃度」だったり、「深み」は増しているのはわかる。1曲1曲は非常にいい曲が揃っている。けど、全体的にピースフルな曲ばかりで、マイルドになってしまっているのが個人的には非常に残念。もちろん意図的にそうしてるんだろうけど。

ただ、このアルバムの特設サイトでの、各メンバーのインタビューを読むと、むしろ前作「A WILL」のほうが「意図的」だったということがわかった。

要は、そのときはまだ「これまでのLUNA SEAらしさ」みたいなものを出そうとしていたというのだ。

確かに言われてみるとそれは感じたし、過去に、本作「LUV」に収録されているM1「Hold you down」のティザーMVを取り上げた際に詳しく書いている。

 

で、改めて上記過去ログを読み返してみてハッとしたんだけど、正にこのアルバムを聞き終えた際の率直な感想を、この時もう既に書いてしまっていた。

それは、「もうこの際バンド名を変えてやればいい」というもの。もうホント、これに尽きるんですよね。

いや、もちろん「LUNA SEAはこうあるべきだ」とか「こんなのLUNA SEAじゃない!」なんて言うのは、上記過去ログでも書いたけど、オタクがアイドルや萌系美少女アニメキャラに処女性を求めているのと一緒で、自分も含めたファンが勝手に作り上げた妄信的でイタイ願望に過ぎない。

しかし、それにしてもという話だ、この変わりっぷりは。

ということで、またしても面倒くさい「全曲レビュー」にをやります。LUNA SEAなんでね。ぼく的にはやらない訳にはいかないと言うかなんというか。

 M1. Hold You Down


改めてフルのPVを見るとすごくいい曲なんですよね。てゆーか、INORAN曲がアルバムの1曲目になるって、実は何気に初めてじゃないかと思う。LUNA SEAの1曲目って、今まで大半がSUGIZO曲なんですよね。

SUGIZO曲じゃないものはJ曲で、「2nd:EDEN」「6th:SHINE」「8th:A WILL」意外は全てSUGIZO始まり。

楽曲的には、前作「A WILL」のOPナンバーである「Anthem of light」に非常に近く、まばゆい光を思わせるような楽曲。

でも「力強さ」よりかは「優しさ」のほうにフィーチャーしているような、そんな曲だと思う。

 M2. Brand New Days


これもよくよく聞くといい曲ではあるんですけどねえ、なんかこの曲も1曲目って感じがしちゃって、前曲の「Hold You Down」とどこか被っちゃうと言うかなんというか。もしくは最後の曲にしてほしかったかなあ。

このアルバム、これ以降の曲全てに言えるんだけど、兎に角「楽曲の系統という意味でのバランスが非常に悪い」という印象。


 M3. 誓い文


コーラスに大黒摩季さんが参加している、ということを差っ引いても、何ていうかもう、ここまで「もぎたてフレッシュ全開!」な感じにPOPで来られるともう笑うしかないw乃木坂46とかの曲にありそうw

でも系統的に言うと、6th ALBUM「SHINE」に収録されている表題曲「SHINE」と同系統ではあるんですよね。(あっちはJ原曲でしたけど)

でもあの曲は、まだ刺々しさや荒々しさみたいなものが中心だった中で、そのLUNA SEA特有の攻撃性を含有しながらの、「あえてのPOPアプローチ」というところに「ROCK」を見出すことが出来たわけじゃないですか。

けどもう、こっちについてはタイトルも含め、最初から何の衒いもなく自然と出て来てるんですよね。きっと。

故に、良くも悪くも「LUNA SEA」という枠組みから外れてしまっている。


 M4. piece of a broken heart

RYUICHI原曲。SUGIZOアレンジ。

いくらなんでもタイトルのセンスなさすぎません?なに「壊れた心の欠片」って。まあ「コワレタココロノカケラ」みたいに全部カタカナにしなかっただけマシだけども。

でも曲はすごくいい曲なんですよねえ。なんならぼくはこのアルバムの中でも1・2を争うくらいにいい曲。

楽曲はパッと聞いた感じ「INORAN曲っぽいSUGIZO曲」って感じなんだけど、「実はRYUICHI」ってところも個人的にはポイントが高い。まあ、SUGIZOが全面的にアレンジを施しているからと言うのが理由でもあるんですが。

これはいい感じに暗い曲で、個人的には大好きですね。6th ALBUM「SHINE」に収録されている「NO PAIN」や「BROKEN」あるいは「VELVET」に近いものを感じた。


 M5. The LUV

SUGIZO原曲。

このアルバムの中で唯一、攻撃的なアッパー&ROCKチューン。これもまた6th ALBUM「SHINE」を引き合いに出してしまうけど、その中に収録されている「MILLENNIUM」に近い。

あと、この曲でも大黒摩季さんが参加してるっぽい。途中の女性コーラスがそんなふうに聞こえる。


 M6. Miss Moonlight

J原曲。

まず曲名を聞いて、やっぱりどうしても「黒夢」の同名曲を思い出しちゃいますよねw

とは言えこれもねえ。なんだかねえ。確かに「Jらしさ」はあるにはあるんですけどもね。ギターをミュートの8分刻みにさせたりとか。

何ていうか、Jはソロアルバムの「RIDE」辺りから、どうも楽曲がPOP化しているように思えてならない。ソロ3rd ALBUM「UNSTOPPABLE DRIVE」やその次作「RED ROOM」のような重厚さがない。

丸くなっちゃったなあ。きっと子供でも生まれたんだろうか。


M7. 闇火

SUGIZO原曲。

またしてもSUGIZOの暗い目系の曲。イントロやAメロはINORAN曲っぽいんですけどね。でもサビはSUGIZOって感じですね。

この曲も、数少ないぼくがこのアルバムで好きな曲ですね。


 M8. Ride the Beat, Ride the Dream

INORAN&真矢共作のインスト

これもちょっと、タイトルが直球過ぎてダサいなあと言うのが正直な感想。

実はLUNA SEAとしては、インストものは初ということ。あれ?そうだったっけ?と思ったら、確かにインスト曲ってないですね。

ぼくは個人的にまあまあ好きな曲ではあるんですが、おそらくこの曲が一番古参ファンにとって賛否が分かれる曲なんじゃないかと思う。

曲自体は、INORANが作成したSEにあわせて真矢が叩くみたいな、LIVEのときの真矢のドラムソロっぽいイメージの曲。とはいえそこはちゃんと「曲っぽく」仕上げているので、非常にダンサブルなので心地いい曲ではある。

でもちょっとEDMっぽいシンセの音なんかも出てきたりして、音楽的ボキャブラリーの貧困な古参のファンは戸惑うだろうなあと思うし、逆にEDMも好きって人には中途半端に思えちゃうんじゃないかなあ。

でもLUNA SEAでここまでEDM色が強い楽曲なんて他にないし、今回こういう曲をやろうと思ったというのは、非常に有意義ではあると思う。


 M9. Thousand Years

INORAN原曲。

これは非常にINORANらしい曲ですね。それも、INORANのソロ曲っぽいなーと思っていたら、実際にINORAN自身のソロ用に作った曲をLUNA SEAに持ち込んだらしいですね。

というか、本作でのINORAN曲って、全体的にそうですね。終幕前のLUNA SEAの頃の「静寂のINORAN」とか「アルペジオ職人」みたいなイメージがあまりない。

「明るさ」と「温かみ」と「優しさ」に溢れている気がする。


 M10. Limit

J原曲。19th SINGLE。

「エンドライド」とかいうアニメの主題歌となった曲で、LUNA SEAとしては初のアニメタイアップ曲。そしてこのアルバムの中で一番、これまでの「LUNA SEAっぽさ・Jっぽさ」といった面影を残している曲。

まあ実際、この曲がシングルで切られたのって「2016年6月22日」ということで、アルバムのリリースから実に「1年半」も空いている。

なので、おそらくこのシングルのレコーディングの時に比べて、アルバムに対する熱量的な部分だったり、心境部分が大きく異なるのではないかという風にも思える。

とは言え、正直この曲そこまで強く好きってわけじゃないんですけどね。


 M11. So Sad

RYUICHI原曲。SUGIZOアレンジ。
https://www.youtube.com/watch?v=DKn1P0XjdHg

序盤はSUGIZOお得意の浮遊感のあるヴァイオリン的アプローチを背景に、雨に滲むようなINORANのアルペジオが優しく包み込んでいて、そうしたところが、タイトルとは裏腹に、どこか希望を感じさせる雰囲気に仕上がっているように感じた。

途中からSUGIZOのギターがシューゲイザー的に歪み、更にはフランジャーで空間を捻じ曲げるかのような轟音になるにも拘らず、汚れるどころかむしろこの曲のサビのメロディの美しさがより引き立つところは流石としか言いようがない。

SUGIZOのすごいところって正にこういうところだと思う。なんというか、音の一つ一つが全て美しい。


 M12. BLACK AND BLUE

SUGIZO原曲。

このアルバムの中で一番好きな曲。この曲ホントにカッコいい。

やはりイントロから終始刻まれているSUGIZOのカッティングが、歪み具合といい全てが心地よいし、そこからの真矢のドラムの入り方が、あんまり真矢っぽくなくて逆にそれがカッコいい。

そしてなんと言っても「ラーララ ラーララ ラーラー」のコーラスが、荘厳さというか気高さを感じさせる。

やはりこのコーラスラインを聞くと、終幕前のラストシングルである「LOVE SONG」を思い出しますね。


 まとめ


なんというか、このアルバムはつくづく不思議なアルバムだなと思った。

冒頭では「いまいち」なんつって、結構辛めに書いているんですけど、何度も言うように、各楽曲個別ではどの曲も非常にいい曲揃いだとは思うんですよね。

ただ、これまでのLUNA SEAの系統で考えると、楽曲の方向性があまりにも偏りすぎたと言うか、いうなれば「シングルのカップリングの名曲たちが集まっちゃった感のあるアルバム」って感じなんですよね。

言っちゃえば、すげーバランスが悪いっていうか。

あと、このレビューの中で何度か6th ALBUM「SHINE」を引き合いに出したけど、アルバム全体を聞くとそんなことないのに、何故か各楽曲にその面影を感じてしまうんですよね。

それこそ「M10. Limit」なんて、書かなかったけど、SHINE収録のシングル「STORM」と同系統だなっていうのが、最初に聞いた時の印象だったし。

とまあそれはさて置き、今回のアルバムで何が一番不満だったかと言うと、J楽曲に消化不良感が残ってしまったことだと思う。

流石にその歳になってまで「ROSIER」とか「TRUE BLUE」みたいな尖った曲をやれとは言わない。だが、せめて「TONIGHT」くらいの疾走感だったり、「Glowing」のようなゴリゴリな感じは欲しかったところ。

例えば、過去の曲でいうと、INORAN原曲の「GRAVITY」のように、他のメンバーの楽曲でも「J節」というか「Jイズム」みたいな要素っていうのはあったはずなのに、今回正直それをあまり感じることが出来なかった。

逆に本作で収穫的だと思った点は、INORAN楽曲の多様性を垣間見たところと、なんと言っても、RYUICHI曲の2曲が非常に良かったということだと思う。

過去ログで、各メンバー別の原曲を集めた動画をシェアした際に、何かのカップリングに収録されていたRYUICHI楽曲を聞いたときにもちょっと感動したんだけど、このアルバムの曲も非常に良かった。

※関連過去ログ
http://blogrider.tokyo/archives/13813761.html

なので、INORAN曲と併せて、「ここに来てのLUNA SEAの新たな一面」というものを、ここまで見せつけられるとは思っても見なかった。

そういう意味でこのアルバムは、十分「成功した」とは言えると思う。

だが、ぼくがまだこのアルバムについて行けてないという部分もあるけど、やはりそこを差し引いても、もっと「ロック」の荒々しさを感じさせる楽曲は、せめてあと2曲は欲しかったところ。

とは言え、いいアルバムだとは思います。

LUV
Universal Music LLC
2017-12-20


 
 

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