非常に面白かったし、参考にもなった。

この本はBOOK OFFで中古購入したんだけど、購入時に奥付を見てなかったんで、読み始めるまで気づかなかったんだけど、この本「2007年刊行」なんですよね。

それに気づいた時「いや今から12年も前のコンビニ本なんか読んでもしょうがないか?」って思ったけど、それは間違いだった。

何故なら、ここに書かれていることを要約するなら「個店主義に基づく発注」という業務の重要性について力説しているものであって、トレンドに基づく即時的な情報ではないからだ。

なので、具体的な発注についてのノウハウやコツ等について書いてるわけではないので、それは期待してはダメだ。というより、むしろ発注をそんな風にイージーに捉えるんじゃない!と活を入れているものですらある。

そして、前回のレビューである「なぜ今ローソンが「とにかく面白い」のか? - 上阪徹・著」にも触れられていた「個店主義」についても当然語られているので、非常に理解が深まった気がする。

※関連過去ログ
 なぜ今ローソンが「とにかく面白い」のか? - 上阪徹

注:このレビューでは「個店主義」については特に触れてません

あと、単純に「非常に読みやすい本」だったのが良い。

必ず、各項の最後に箇条書きでまとめがされており、かつ各部の最後には「チェックリスト」までついているので、これは現役の(発注に関わっている)コンビニ従業員は必読だと思う。

「時代の流れ」とか関係のない、発注(および店舗の経営そのものに関わる業務)に携わるものの心構えや、マインドセットのための本だとも言っていい。

引用ポイント

セブンイレブンの生みの親:鈴木敏文氏

「いかなる過去の強者・覇者といえども、時代の変化、世の中の変化に対応・適応できなくなった時、衰退・衰微、そして破綻の時が訪れる」

これはまあ、ものすごく当たり前のことではあるんだけど、「コンビニ」という業種だと、元々が「多機能性・万能性」というものが根幹にあるから、実は意外と忘れられがちなんじゃないかという気もする。

ニーズが枯渇することのない業種だから、言葉を選ばずに言うと、コンビニ経営って「バカでもガキでもできちゃう」んですよね。

でも、これ決して全社的なマクロな話じゃなくて、個店と言うミクロでもこういう危機感は常に持って経営しないと、近所に競合店が1軒できただけで、あっという間に持ってかれて淘汰されちゃうと思う。

で、正に下記のような状態になる。

「とことん悪くなったほうが、かえって改革は進みやすい。なまじ数字が上がっていると、どうしても危機感は薄くなる」

バブル崩壊後の不況の中でも「そこそこ」の業績を出していたかつての親会社「イトーヨーカドー」には、「別にこのままで良くない?」という空気があったそうで。

でもこれってすごく危険ですよね。所謂「ウサギとカメ」もしくは「茹でガエル状態」ってやつ。

常に危機感を持ったり、常に改善できるところを探して改善していかないと速攻で置いてかれるでしょうからねえ。

どんなジャンルでも、長年に渡ってトップ走っている企業とかって、「スピードのあるウサギ」なんじゃなくて「スタミナもスピートもあるカメ」だと思う。

・死に筋商品は自然に発生しない。誰もお客の評価をフォローアップしていないことによって生み出されているものである。

なるほど。確かにそのとおりだと思う。そして、本書で一番言いたいポイントって、正にこのあたりなんだと思う。より具体的な内容は、この後の第2部にて示されており、特に下記引用が発注担当に従事している人間なら、絶対に忘れちゃいけないところ。

「POSは、売れ筋商品を教えてはくれない。逆に、死に筋商品発見の道具として用いるべきである」

これには目からウロコだった。

前回の「なぜ今ローソンが「とにかく面白い」のか? - 上阪徹」でも実は書いてたんだけど、とどの詰まりは「どんなに精度・確度の高い詳細なデータが有っても、扱う人間がバカだと何の意味もない」って話になっちゃうんですよね。身も蓋もない言い方をしちゃうと。

要は「そのデータから何を読み取るのか、何を考え、どう次に繋げるか」ってことがわかってないとだめって話。

更には「売れ筋は売ってみなければわからない」とも言っているので、結局、実際に売ってみてそのデータを元に「どんな売れ方をしているか」という見方ができなければ、POSなんてただの「補充データの入力ツール」にしかならないのだ。

●月■日に×個売れた、次の日は何個、その次の日は何個、と毎日の売れた数だけみて、じゃあ明日は×個発注すればいいか、なんていう発注なら、コンビニ経験のない小学生でもできるって話。

そうではなく、何曜日のどの時間帯にどの辺の層が買っていったのか、一緒に買っていったものは何か、その日の天気はどうだったか、TVやSNSで話題になっているのか等、物が売れるのには必ず「理由」があるわけだから、それを分析できなければ何の意味もない。

で、その中において、「じゃあ他の類似する商品とどう違うのか」というところも見ていくと、自ずと死に筋商品も見えてくるって話なんですよね。

これについては、これからネットビジネスをおこなっていく上でも、非常にタメになる考え方だなと思ったし、それをぜひ生かしていこうと思った。

というより、長くこの業界にいたくせに、このことについて、正直そこまで深く考えていなかったので、改めて勉強になったなと言う感じだった。

いや、この本はホント読んで良かったと思う。コンビニや小売業以外のすべてのビジネスマンにおすすめできるんじゃないかと思う。他業種であっても何かしら得られるものはあるはずだから。

というより、ビジネス書はむしろ他業種の本を積極的に読みに行ったほうがいいですよ絶対。そのほうがアイデアも生まれやすいし、他の業界のこともよく知れて知識が広がるので。

■EDIT