ぼくの部屋にあるエアコンは既に死んでいる。
そのため、ぼくはここ数年、真夏は扇風機だけでどうにか凌いでいる。この猛暑であってもだ。しかし、一昨年・昨年と今年に匹敵するくらい非常に暑い夏だったため、両年とも同じ時期に熱中症で死にかけた。
それ以来ぼくは熱中症における「水分補給の重要性」を強く意識するようになり、殊更今の時期は水分をまめに多めに摂ること関して、それなりに注意を払っているつもりではある。
特に、就寝時の汗の量が日中活動時よりも多い上に、就寝中は水分補給が出来ないので、就寝直前には多めに水分を摂っておいたほうがいいと聞き、実践している。あと、就寝直前の味の付いた飲み物も極力避けるようにしている。
これをするとしないとでどう変わるかというと、ぼくの場合、起床時に頭痛がしなくなった。
ぼくは、元々鼻の通りがあまり良くないせいかどうしても口呼吸になってしまいがちなのと、かくれメタボのせいで所謂「睡眠時無呼吸症候群」を引き起こすことがあるらしく、起床時は口腔内がカラッカラになるばかりか、そのせいでひどい頭痛を伴って目覚めることが珍しくなかった。
しかし、就寝直前に大量に水分補給を行うようになってから、少なくとも頭痛を伴う起床の回数が減った。仮に頭痛の時でも、以前に比べるとそのダメージは軽減されている。もちろん口腔内の乾きについても同様だ。
こうして就寝前後における熱中症を回避する術を身に着けはしたのだけど、今日ばかりは油断をした。
起床後、シャワーを浴びて汗を流し、朝食にカップうどんを摂ったのだけど、その時点から家を出るまでの間に「殆ど水分を摂っていなかった」のである。
厳密に言うと、朝食後、昨晩の飲みかけで冷やしていたコカ・コーラZEROをぐびっと飲み干すわけだけど、それがまだ起きて間もない胃袋には刺激が強かったのか、お腹が冷えてしまい、所謂キーンとした腹痛が始まってしまったのである。
すぐさまトイレに駆け込み、ほぼ水分の便を出すのだけど、それがトリガーになったのか、腹痛は治まることを知らず、何度かその波が来ては汗以外の水分が短時間で放出された。
アイスピックでお腹の内側から突き刺されるような痛みが留まることを知らず、トイレから離れられなくなると今度は、左脇腹より背中寄りの筋肉が痛みだした。
当初コレは、便器に座ったままで同じ姿勢でいた事で筋肉が凝り固まってしまったかと思ったが、今にして思うと、既に脱水症状は始まっていて、そこに起因して、血中濃度?とか血液中の鉄分だとかビタミンだとか塩分だとかそうした栄養素が欠乏したことよって引き起こされている痛みではないかと思った。
兎に角腹も脇腹も痛くてしょうがないが、冒頭にて記した様に、部屋の空調環境は依然として劣悪なまま、部屋で寝ていたのではかえって身の危険さえ感じるので、非常に辛かったが出社することにした。
コレは、職業プロ意識などではなく、職場に避難したかっただけだ。一昨年・昨年と休んだことでかえって体調が悪化して苦しんだ教訓を活かしてのことだった。
だが、埼玉のクソダサイベッドタウンから渋谷までの道のりは遠い。西武新宿線に乗って高田馬場まで行かなくてはならない。それでもなんとか駅に到着。
しかし、駅に着くややはり便意を催したのでトイレに直行。しかし便意も尿意もしっかりあるのに、出るべきものが一切でない。敢えてゲスな例えをするが、オナニーのし過ぎで臍下がチクチク痛み出し、オーガズムに達するもザーメンが水みたいなのがちょろっとしか出ないという状況と非常によく似ていると思った。
しかし、今日のぼくの便意の場合、その搾りカスさえ出なかった。トイレに座っていると、脇腹が非常に痛みだすため、便を放出することは諦め、電車にのることにした。
「本当にやばそうだったら途中駅で降りる」と決め、意を決して電車に乗ったわけだが、弱冷房車両ではないため、今日という日に限っては非常に寒く感じる。今日の気温が低いこともあるが。
だが、お腹をかばうようにしてカバンを抱きしめていると、不思議な事に少しだけ落ち着いてきた。その間の水分は、前日の残りのぬるい水をすこしだけ口に含んでいた。何しろぼくのお腹は刺すような痛みなので、冷たい水を飲む勇気が出ない。
そうこうしているうちにいい感じに眠くなってきて、長く感じはしたが、なんとか高田馬場に到着した。
しかしここでもトイレに立ち寄るわけだが、依然として便意の状況は変わらないどころか、腹痛のビッグウェーブに連動して、脇腹の痛みがピークに達し、いよいよ本格的に身の危険を感じた。
個室内には非常ボタンがあるので押してしまうかとも思ったが、一旦自力で動ける限り動こうと思い、痛みが治まらないままトイレから逃げるようにして出る。
駅構内は非常に寒く感じたが、動き出してみると意外と動けることに気づいたので、意を決して乗り換え改札を抜け、渋谷までストレートに向かうことを決意。渋谷に着いてさえしまえばこっちのもんだ。
そんなこんなで1H近く遅刻してようやく職場に到着するも、腹痛はあいかわらず続いている。ひとまずPCをつけるがやはりトイレに直行。10Mくらい過ごす。
だが症状は相変わらずなので、飲むヨーグルトを飲んで、仕事もせんと休憩スペースで横になり、小一時間仮眠をとると、少しだけ回復したように思われたが、やはり思うように体が動かない。
結局出社しても、休憩スペース⇒自席⇒トイレをローテし、13:00までほとんど仕事ができないまま休憩時間に突入。このままじゃ埒が明かないので、日曜日やっている渋谷の医者を探し、行くことにする。
だが、そこでの診察及び治療や処方される薬などによっては午後から仕事できるのではないかと思っていたので、敢えて退勤打刻は押さずに出た。
レッドブルと水を飲みながら渋谷の街をウロウロ歩いているうちに、病院の近くまで到着。しかし目的の病院が見つからずに右往左往していると、あることに気付いた。
あれ?お腹も脇腹も痛くない。てゆーか、気分も大分良くなってる?
てか、もしかしてこれ、治った?
ってことで、レッドブルと500mlペットボトルの大半を飲み干して、涼しい風を浴びながら外を歩いていたら、なんか治ってしまいましたw
レッドブルを開ける時、お腹の痛みが倍増しやしないかと実は非常に怖かったんだけど、どーせ医者に診てもらうし、飲んでてほんとにやばかったら捨てればいいのだから、飲めるとこまで飲んでしまえと思って、意を決して飲み始めた。したらば、存外腹が痛むことはなく、普通に美味しく飲めて、全部飲み干した後、水もグイグイ普通に美味しく飲めた。
結論としては、やっぱりお腹痛くても、脱水症状なので水分を取ればなんとかなるということがわかった。
みなさんも、水分補給はまめにした方がいいですよ、というお話。