ABOUT ME

                 

LATEST ENTRIES

CATEGORIES

RECENT COMMENTS

LINKS

山口組 顧問弁護士 - 山之内幸夫

■山口組 顧問弁護士 - 山之内幸夫

 

 

 

非常に面白かった。

 

2015年の「六代目山口組」と「神戸山口組」の分裂騒動に端を発し、そこから2017年4月の「神戸山口組」から「任侠山口組」のさらなる分裂を経て、今、揺れに揺れている日本最大の広域指定暴力団「山口組」――そんな暴力団の「顧問弁護士」を40年も努めた、異色の弁護士による非常に生々しい手記。

 

ある意味で「ヤクザに最も近いカタギ」という、かなり特殊な立場からの発言という時点で非常に興味深い。

 

そして、文中でも親交のあったヤクザの人に対し「××さん」と言う風にフランクに表記していることから、かなり親しくしていた様子についても詳らかに書かれている辺り、ことによれば嫌悪感も抱かれかねないとも言えるくらいの内容だったと思う。

 

だがそれゆえに、内容的には非常に生々しくリアルではあった。とは言え、「山口組の顧問弁護士」という立場上、多分にして山口組寄りな書き方ではあるのは当然といえば当然ではあるが、しかしそもそもそれ以前に「カタギの弁護士」でもあるため、必要以上に美化や擁護はしていない。

 

要は顧問弁護士という立場上(厳密には「元」だが)「山口組」を擁護しても、「ヤクザそのもの」を認めているわけでもないという点で、しっかりと意見を述べている点については好感が持てると思う。

 

そういう意味では、ヤクザという必要悪を受け入れ、その上で「弁護士」という法の番人として極めて中立的な立場の人間として、職務を全うしようとしたプロ意識の高さというものが窺えた。

 

ヤクザそのものについて、こうした立場でここまで語れる人自体が稀有だと思うので、そうした意味では非常に興味深く、意義深い良著だと思った。

 

因みに、著者の「山之内幸夫」という人は、無名の鉄砲玉の悲哀を描いた小説で、後に映画化もされることになった「悲しきヒットマン」という作品の原作者でもあるそうだが、実は「鉄砲玉」のことが一般的に「ヒットマン」と呼ばれるようになったのは、この作品がブレイクしたことキッカケなんだそう。

 

著者の歩んできた40年というキャリアは、ある意味で近代ヤクザの歴史そのものと言ってもよく、最も抗争が苛烈だった頃から、現在の深刻な人手不足に至るまでが、詳らかかつ赤裸々に描かれていて、資料として見るには申し分がないのではないかと思う。

 

 

スポンサードリンク

コメント
コメントする