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クローズEXPLODE

■crows zero 3 sub indo■


死ぬほどつまらん映画。こんなにつまらんのも珍しい。もうなんていうか全てに於いて中途半端。

実は見たのはだいぶ前ではあったんだけど、YouTubeにコイツも上がってたので、ここに書くためにもっかいサラッと見たけど、やっぱつまらんなあ。唯一の救いは「勝地涼」がメインキャストとして出ているってことくらいか。

高橋ヒロシ原作の大人気ヤンキー漫画「クローズ」の、原作の前日譚として1作目「クローズZERO」が小栗旬・山田孝之主演、三池崇史監督によって作られ、2作目は敵対勢力である鳳仙学園の頭役として「RIZE」のドラマーでもあり役者でもある「金子ノブアキ」他、「三浦春馬」や現在人気絶頂の「綾野剛」等を迎えて作られたわけだけど、この1作目・2作目が面白かっただけに余計にこの映画のだめな部分がものすごく浮き彫りになっている気がする。

ま、監督と脚本が前作と異なる時点でそれはもう別の映画だよなって話ではあるけども。
 

 

下妻物語

■下妻物語



めちゃくちゃ面白かった。

YouTubeを見ていたらまるまる1本上がっていて、どうせ大して面白くないんだろうと高を括って夜中にクリックしたのが間違いだった。なんだこれ。めっちゃおもろい。深田恭子のロリータが可愛いのは当然として、土屋アンナのヤンキーもかっこよくて可愛かった。(残念ながらコレを書いている途中で、YouTubeの動画は削除されてしまった。当然か。)

冒頭、状況等の説明を深田恭子演じる「桃子」がナレーションで行うわけだけど、その時の映像の見せ方が非常にコミカルかつテンポよく進んでいくところが面白かった。

この手の演出ってセンスが悪いと途端にダサくなってしまう上に、見せ方を優先しすぎると今度は説明が説明として機能せず、訳がわからなくなったりで、何気に難易度は結構高いと思うんだけど、そのあたりを難なくクリアしていたところに上手さを感じた。

特に、開始から3分と経ってないのに、いきなり軽トラに轢かれて「下妻物語 終」って出るとことか、なかなか面白かった。で、そこからプレイバックする形で映画本編に入っていくところなんかは、木更津キャッツアイぽくて、テンポ感といい、田舎を舞台にしている点といい、その類似性を感じられる点も面白かった。

実際、クドカン脚本に欠かせない「阿部サダヲ」や「荒川良々」も出演しており、阿部サダヲのリーゼントなんて完全にコントのそれで、明らかに崩し過ぎなのに、そもそも作品自体が終始「バカ&ハイテンション」だから何の違和感も感じなかった。

更には、途中、状況説明のためにアニメを差し込むあたりも秀逸だった。惜しむらくはこのアニメの絵柄が、もうちょっと日本の如何にも「アニメ」って感じの絵柄ならもっと面白かったと思う。

キャラクタ的には、主人公の桃子が、ものすごいロリータファッション大好きっ子なのに茨城のど田舎に住んでるというギャップと、そこから代官山のお気に入りのショップまで足繁く通ってるいるというところも含めた絵面自体の面白さも去ることながら、そうした環境や、離婚して離れた母親、ろくでもない親父とクセの強すぎる祖母等、諸々に対し何の不満も抱かず、その状況の中でも一切ブレずに自分のスタイルを貫き通しているという強さを、あくまでさり気なく描いている点が良かった。

片や土屋アンナ演じる「イチゴ」は、もう典型的なわかりやすい記号化されたヤンキーそのもので、いわゆる「ヤンキーとそうでない人」との友情を描く物語に決まって出てくるテンプレ的王道パターンである「ヤンキーが所属しているチームから足抜けするために、リンチを受けに行く」というシーンも当然出てくる。

足抜けするきっかけとして、桃子が初めて自分を必要としてくれたことが嬉しくて、集会よりもそっちを優先させたことという描写があるが、それ以外にも「7人だけで走ってた頃のほうが楽しかった」的な台詞でポツリと語られるだけで、チームに対して不満を持っていたという描写が少なかったため、若干唐突感が否めないところではあるものの、先述の通りそもそもこの手の話で「ヤンキーが抜ける」はお約束なので、大して気にならなかった。

それよりも、ここに出てくるレディースの人たちが絵面的に割とリアリティがあってカッコよかった。特に「まちゃまちゃ」なんてあの奇抜な髪型と特攻服があまりにも芸風そのまま過ぎて何の違和感も感じなかったし、それまでコミカルに描かれていた土屋アンナのヤンキーっぷりもこのシーンでは非常にカッコよく見えた。

特に、所属していたチームの頭を演じる「矢沢心」を、ちょっと上から見下ろす形で睨みつけながら「ステゴロでタイマン張りましょうや」って言う時の土屋アンナの表情とか普通にカッコよかった。

あと、いい意味ですげー細かいなと思ったのが、鑑賞後、下妻物語のWikipediaのページを見ていたら、桃子が大好きなブランドである「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT」というブランドが実在のブランドで、そこの社長である「磯部」役を「岡田義徳」が演じているんだけど、この社長の名前自体も実際の社長と同じ名前でびっくりした。

更には、そこのデザイナーさんが、元々このブランドのファンで、このブランドが好き過ぎてこのブランドのデザイナーになったというサクセスストーリーが、桃子のストーリーとかなり近くて面白いと思った。

映画の長さとして2Hなく、100分程度で丁度いい長さでよかった。動画が削除されてしまったのでちょっと残念だけど、今度DVDレンタルしようと思ったし、何より、俄然、原作小説を読みたくなった。久々にいい映画を見た。

※追記
また、別アカウントでアップロードされていたようなので、一応埋め込んでおく。


 

ミンボーの女

■ミンボーの女■

※1992年公開

面白かった。

だが、今回はマルサ、スーパーとは異なり、宮本信子演じる井上まひる自身が活躍するというよりかは、彼女はプロデューサー的立場で裏方に回るため、実際には「大地康雄」と「村田雄浩」が中心となって活躍する話となっている。

このため、宮本信子がしばらく出てこない局面もある。それどころか終盤とある事情で引っ込まざるを得なくなる局面を迎えるので、そういう意味では他の女シリーズと比較しちゃうと、見せ場が減っている分、やや物足りなさ感は否めないかもしれない。
 

 

 

スーパーの女

■スーパーの女

伊丹十三監督作品:1996年公開


面白かった。

伊丹監督の映画って、やはり「タンポポ」とか「マルサの女」の印象が強すぎるからなのか、これも勝手に80年代〜90年代前半くらいに思っていたのだけど、公開は96年なんですね。まだ20年ちょいしか経ってないとか意外。どうりで、内装的な部分とかレジの感じとかが今のものとそこまで大きく違わないはずだ。

ぼくの場合、スーパーではないけど、かなり近しい職種であるコンビニ業界にものすごく長いこと身をおいていたので、内部的なことについてわかりすぎるくらいにわかってしまう部分もあった。

しかし反面、主演の宮本信子演じる花子が、あっという間に副店長に就任してしまったり、おにぎりの具のたらこを作っている工場まで足を運んで、制作方針について直訴したりと言った部分は、多少誇張されて描かれている部分ではあると思う。

ただ、パートのおばちゃんが出世する、と言うのは決してありえない話ではなくて、確かBOOK OFFで、パート⇒店長⇒社長とのし上がった人がいたと思う。そういう意味では、まるっきりのフィクションとは言えない。

なので、そうした意味では、このお話における花子のサクセスストーリーとは、決して不可能な話ではない。だからこの映画はどちらかと言うと、起業家とかこれから起業しようとしている人とか、そういう人が見たほうがいいような気がする。

あとはやっぱり何と言っても、主演の宮本信子が、この作品でもものすごく輝いて見える。マルサの女のときにも書いたけど、凄まじく美人とかってわけでもないのに、すごく魅力的に見える。

で、その理由について考えてみたんだけど、ひとつは伊丹作品における宮本信子演じる「女」が、軸のぶれない真っ直ぐな人であり、非常に男顔負けのパワフルさを持っていることもそうなんだけど、彼女の周りにいる男性陣が、皆どこか彼女を魅力的な眩しい存在として見ている、というような描かれ方をしているからなのかなとも思った。

特に、津川雅彦演じる五郎が、明らかに花子に好意を持っていて、花子の方もまんざらでもないくせに、最後までくっつきそうでくっつかないところが良かった。

クライマックスのカーチェイスシーンとかは流石にやり過ぎ感は否めないけど、でもその若干コミカルなまでに逸脱した感じもまた、伊丹作品の特徴でもあり魅力だとも思う。そういう意味ではこの作品は、リアリティとマンガな部分のバランスが非常に上手く取れているいい作品だとも思う。

 

 

マルサの女&マルサの女2

■マルサの女■



非常に面白かった。

子供の頃にも一度見たことはあったのだけど、当然意味はわからなかったが、今見ると「脱税」ということについて、ここまでわかりやすく描いていたのかというほど、わかりやすくてびっくり。

それもそのはずで、あとで調べてみたところ伊丹監督が本当に描きたかったのは続編となる「2」の方らしく、こちらはそのための「入門編」として描いたらしい。なるほど。

例えば、ラブホテルは領収書が発生することがない、という点を突いた売上詐称や、離婚をして慰謝料を払う体で女名義の口座にお金を移したり、宝くじを使うなどと言った脱税方法などありとあらゆる手法が出てきて、それらをものすごくわかりやすく説明していた。

あと冒頭、いきなり看護婦さんがおっぱい丸出しで、ジジイに乳吸わせてるシーンから始めるところが如何にも「昭和」って感じ。このシーンを皮切りに、この映画はそうしたお色気シーン的なものが多々ある。これはこの映画に限らず、もうこの時代の映画みんなそう。この時代ってそれこそバラエティ番組でさえおっぱい出すような番組多かったしね。

あと、伊丹監督の映画って「おっさん」の描き方が上手いのかなって気がした。税務署、及び国税局の人間ばかりが出てくるってことで兎に角おっさん比率がすごくて、脱税の容疑で目をつけられている権藤役の山崎努をはじめ、国税局側の津川雅彦、大地康雄など、兎に角脂ぎったおっさんばかりがでてくるんだけど、全員リアリティがハンパない。

で、当然のことながら全員芝居巧者な方たちばかり。というか「名バイプレイヤー」が多い。しかしやはり何と言っても、特筆すべきは、その中で埋もれることのない存在感を放っている、主演の宮本信子さんでしょう。

おかっぱ頭で寝癖バサバサでそばかす顔のおばさんっていう出で立ちで、お世辞にも美人とは言えないはずなのに、でも何故かすごく魅力的に見える。誰よりもエネルギッシュなんだけど、決して「男なんかに舐められてたまるか」という気負いではなく、ただ己の正義感のみで動いているから輝いて見えるんだと思った。

そしてその快進撃が、シンプルなカタルシスで見ていて非常に痛快。あとは無駄な要素が一切ない。知的で説明もたくさんあるけどその説明の仕方が非常に旨いので、テンポが良い。知的でテンポも良くてカタルシスも得られるって、なかなか無いでしょそんな映画。
 
あと、権藤がものすごい「悪い会話」を「お主も悪よのぉ、ヒヒヒ」みたいな感じではなく、淡々と、それこそ普通のサラリーマンが普通に仕事の話をするように、事務的にビジネスの話としてしれっと話すところが妙にリアリティがあって、逆にものすごく悪人っぽさを際立たせているようにも見えたのが非常に印象的だった。
 
例えば、冒頭で看護婦さんのおっぱい吸ってた死にかけの爺さんの様子を見た帰りに「よし、じゃあ爺さん社長にして会社設立しろ」とか、愛人のおっぱい揉みながら「まーた儲かっちまいやがった…問題はどう隠すかだな」とか。


何にせよこれはなんていうか、その知的さ故、すごく小説で読みたい映画だと思った。


■マルサの女2■


こちらも非常に面白かった。

前作の1年後に公開された続編。前述の通り、本当に描きたかったのはこっちの方だということで、前作の脚本を書き終わってからすぐこっちを書き始めたらしい。

今回の相手役は、いまは亡き「三國連太郎」で、宗教法人を隠れ蓑にして脱税するというお話。

それにしてもこの映画は、ベッドシーンとかお色気シーンが本当に多い。しかもその宗教団体の教祖の愛人が確か洞口依子が演じていて、14歳だか16歳という設定で、おまけにお腹に子供まで宿すという展開には流石に驚いたし、今では考えられない表現だと思った。

「宗教団体」という部分から、信者たちが祈祷している描写なんかは大分コミカルに描かれていてようにも解釈できるし、当時だったらみんな笑ってみていたのかもしれないけど、まさかこの映画の僅か4年後くらいに、カルト教団があんな事件起こすだなんて誰も考えてなかったんだろうなあ。アレを知ったあとで見ると、やはり見え方が違ってくる。

と言うより、宗教法人をいいことに巨額の富を得ているなんてところも含めて、まるで来るべき未来を予見していたかのような内容でさえあるといったら、少々オーバーか。

更には途中、隠し部屋の存在を探り当てるものの、そのに至るまでの階段で超音波的なもので妨害する機器も登場して、向かった国税局の捜査員が、頭が割れるーとか言いながら階段転げ落ちてくるシーンとかは、いくらなんでもちょっとマンガ的すぎやしないかなとは思った。転げ落ちる前に即座に引き返すでしょうに。
 

 

あとは、国税局の倉庫に忍び込んで書類を盗み出そうとしていたチンピラと鉢合わせになった板倉亮子が、犯人を説得するシーンで、パニックに陥っているはずなのにネゴシエートが非常に上手く、わかんないけど警察官の取り調べもこういう落とし方なんじゃないかというくらい巧みに語りかけ、犯人からナイフを取り上げたシーンが印象的だった。


更には途中、不破万作演じるヤクザ「チビ政」が、利用価値がないと見做されるや射殺されたりと、前作と比べると先述したお色気要素と併せても、大分馳星周的とも言えるノワール色が色濃くなっているのが、今作の特徴だと思った。

いずれにしても、やはりこれは小説で読みたくなるような映画だと思った。それこそ馳星周で。
 

 

シン・ゴジラ

今更だけど「シン・ゴジラ」の感想を書きました。08/22に書き始めてから3ヶ月近くも
かかっちゃったw

ハッキリ言って、この映画に「ネタバレ」もクソもないと思うんだけど、一応「続きを読む」
以降にしておきますかね。


 

 

AKIRA

■AKIRA full■


まさかYouTubeにAKIRAの映画が丸々1本落ちているとは思わなんだ。
小学校6年生の時に初めてこの映画を見て以来、多分、僕が人生史上最も回数多く見た映画かもしれない。

でもそれはすごく面白いからではなく、単純にこの映像美に魅せられたと言うだけの話だ。何ていうかこの映画は、良くも悪くもストーリーなんてどうでも良いタイプの映画だと思う。マトリックスとかと同じタイプ。

ハッキリ言って、チン毛が生えたか生えてないのかわからんようなガキンチョに理解できる様な簡単ストーリーなどでは到底無い。大まかなストーリーを追えるようになったのは、大人になってから。寧ろ割と最近の話だ。

それにしても、この映画の原作マンガが最初に発表されたのが1982年。今から34年も前で、アニメ映画になったのが今から28年前、1988年だと言うのが信じられない。

言わずと知れた日本アニメーションの最高峰なわけなんだけど、ある種これを超えられるアニメって、まだ出てきていないという気がする。

無論、アニメの表現技術云々ということで言えば、CGをふんだんに駆使した今のアニメのほうが圧倒的に技術的には上だろうと思う。しかし、それは「それを表現できるだけのツールを既に持ち合わせている」という大前提があるからこそであって、視聴者もある一定のレベルまでについては想定内だと思う。

しかし、ここで言う「これを超えられるアニメがまだ無い」と言うものについては、当時の先端技術を駆使しているのは勿論のこと「日本のアニメってここまで凄いレベルに達したんだ!こんなに凄いことが出来るんだ!」という、一般的な想像を遥かに凌駕した「驚き」を与えたと言う点で、現時点でもここまでの驚きや衝撃を与えた作品が、未だに出てきていない、という意味である。

それと、改めて見て思ったのが、このアニメってSFでありながら人間も含めた生物の描写がものすごく「ジブリ系アニメ」っぽいなというところ。

仕草とか動きの1つ1つがものすごく綿密に描かれていて、特に序盤で鉄雄が旧市街で26号と接触した際、現場に駆けつけた金田が鉄雄の声を聞こうとしている時の瞬きとか目の動きが非常にリアルだなと思った。

更に秀逸だと感じたのは、このアニメはアフレコではなく「プレスコ」という手法によって声優さんが声を当てているのではなく、声優さんの声にアニメの画を当てている手法(有名な例を出すと涼宮ハルヒの憂鬱での学園祭でのバンド演奏シーン等)ということもあり、キャラクターの喋りの時の口の動きが、ちゃんと各母音に対応しているところも、リアルさに拍車をかけていると思う。

AKIRAって舞台が近未来ということもあってか「金田バイク」を筆頭に、そうしたメカニカルな部分にフォーカスしてしまいがちではあるけど、寧ろあのアニメの凄いところは命あるものが「生きている」ことを示す描写だと思った。30年近くたった今でも全く古さを感じさせない、凄いアニメ。

そして大人になった今あらためてこのアニメを見て、これを、今の映像技術でリメイクしたものを見てみたいという欲が出てきた。エヴァンゲリヲンのようなREBUILDでみたいなあ。

    

 

桐島、部活やめるってよ

【レビュー:映画(邦画)】桐島、部活やめるってよ


 監督:吉田大八
 脚本:喜安浩平、吉田大八
 原作:朝井リョウ

 出演者:神木隆之介、橋本愛、東出昌大、清水くるみ、山本美月、松岡茉優
     落合モトキ、浅香航大、前野朋哉、高橋周平、鈴木伸之、榎本功
     藤井武美、岩井秀人、奥村知史、太賀、大後寿々花
 音楽:近藤達郎  主題歌:高橋優「陽はまた昇る」
 撮影:近藤龍人  編集:日下部元孝
 製作会社:映画「桐島」映画部 配給    ショウゲート
 公開:2012年8月11日 上映時間:103分 製作国:日本

 

 

 面白かった。

 スタートからゴールまで1本筋の通った明確なストーリーがあるわけではなく、単にバレー部のエースである桐島が部活をやめるという事実に周囲の人間が翻弄され、勝手にバタバタするだけの話を、各登場人物のそれぞれの視点から描いていくという手法が面白かった。

 それぞれの登場人物の立ち位置や事情、或いは感情の向き先等をセリフで説明していくのではなく、各々の表情やカメラワークだけで状況を明らかにしていく演出方法は非常に上手いと思った。
 アレだけ登場人物が多いにもかかわらず決してごちゃごちゃせず、1時間40分という尺に収まっているのは正にこの辺が上手いからだろうと思う。

 何と言っても、登場人物たちの高校生っぷりが非常にリアルだというのも大きな特徴だと思った。
 特に女子4人の言動が非常に生々しかった。

 4人の中でも、「部活組」と「帰宅部組」でやはり価値観の相違が現れ、部活組は主要キャラの1人、野球部の宏樹のように「オレはアリだと思うからね、部活は部活で」と明確に言葉に出すことが出来ず、つい周りに合わせてしまうあの年代特有の「学校」という閉鎖社会で生きる者達の面倒臭さをリアルに描き出していたと思う。(ま、その辺りは少女マンガとかでは割と普通にやっていることではあるかも知れないが)

 片や「帰宅部組」についても、「部活なんかに真面目に精を出しちゃうなんてダサいこと出来ない」というような、これもやはりあの年代特有の「遊び以外のこと(主に学校絡みのこと)に本気になることへの恥ずかしさ」という感情もまた、リアルに描いていたと思う。

 やはり「学校」という閉鎖社会のなかに於ける友情やパワーバランスの歪みや崩壊って、こういう「大人から見たら取るに足らない些末なことから生じる」ということを、実にリアルに描いているので、見る人が見たらヒリヒリしてしょうがない映画だと思う。

 「この映画は見る人によって解釈や感想が異なる」というようなことをよく耳にしたが、その理由とは正にこうした部分に由来するんだろうと思った。
 要は「学生時代をどういう風に過ごしてきたか」で見え方が違う映画なんだと思う。明確なストーリーというものがない分、尚の事。
 故に「登場人物の誰に感情移入するか」は人によって異なる。
 
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